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臨時雇用枠、安・官・短の壁 「200人に応募4人」も(2/3ページ)

2009年2月4日23時48分

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写真200人の枠に応募4人。北区役所内の臨時職員採用受付窓口=東京都北区王子本町1丁目

写真失業して茨城県の臨時職員として採用された2人。公共工事関係の書類整理を担当している=水戸市

 ただこうした声は少数派だ。区内の男性(42)は、募集条件に合致したが応募しなかった。

 昨年11月に勤務先の呉服店が倒産し職を失った。借りていたアパートを引き払い、実家のある区内に戻ってきた。就職情報誌やインターネットで仕事を探す。「えり好みしなければ働けるのはわかっている。ただ、850円と聞いて申し込む気がなくなった」

 群馬県太田市の臨時職員も、時給800円。市の担当者は人気薄の原因に「市内の製造現場への派遣なら時給1200円以上の人も多い。待遇面での魅力が薄いのかも」という。

     ■

 茨城県では1月23日現在、臨時職員97人分の募集枠に対して、採用に至ったのは8人だけ。問い合わせでさえ64件しかなかった。

 失業者の9割以上が製造業出身者なのにもかかわらず、臨時職員の仕事はパソコンでのデータ入力など事務系中心にならざるを得なかったことが影響していると県はみる。

 茨城県北部の高萩県税事務所。県臨時職員になって1週間になる高萩市の女性(48)がパソコン画面を見つめていた。脇には山積みになった自動車税の申請書類。記載データに間違いがないかを1枚ずつチェックし、法人事業税などの申請書類を袋詰めする。

 市内の自動車部品工場で9年間パートで働いた。しかし受注の大幅減を理由に、会社から無期限の「長期休暇」を通告された。地元のハローワークの入り口にあった県の募集を見て応募。パソコン操作に不安はあったが、働き始めると取り越し苦労だったと気づいた。

 ただ、工場を辞めた同僚たちに県臨時職員への応募を勧めても、「無理、無理」「私にはなじまない」と相手にされないという。「事務職の経験がない人には抵抗があるのかもしれない。働いてみれば考え方も変わるかもしれないのに……」

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