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クラスター爆弾:スリランカ使用、条約推進NGOに衝撃

 【ジュネーブ澤田克己】スリランカの内戦で、クラスター爆弾が使われたとの国連の発表について、クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)作りを進めて来た非政府組織(NGO)からは、強い批判の声が上がった。禁止条約には、加盟国に使用・製造の禁止を課すだけなく、加盟国の「包囲網」で非加盟国の使用を抑制する狙いがあるからだ。これ以上の使用を防ぐためには、加盟国による条約の早期批准と発効が課題となりそうだ。

 NGO「クラスター爆弾連合」の責任者、トーマス・ナッシュ氏は4日、「事実なら非常に残念だ」とショックを隠さなかった。昨年12月に締結された禁止条約は、保有国すべてが署名しているわけではない。今回は国際的評価を気にしないような小国への歯止めにはならない場合がある、という条約の限界を露呈した形だ。

 条約制定過程で問題とされたのは、米中露やイスラエルといった大量保有国の非加盟だった。だが、これらの国は、クラスター爆弾使用で受ける国際的非難を気にせざるをえないため、「条約を完全に無視することは難しい」(外交筋)とみられている。実際、06年の第2次レバノン戦争での大量使用が強く批判されたイスラエルは、先月のパレスチナ自治区ガザ地区侵攻でクラスター爆弾を使用していない。

 ただ、これまでなら大きなニュースとならなかった単発的なクラスター爆弾使用を、今回は、AP通信やCNNといった欧米メディアも重点を置いて報じた。赤十字国際委員会(ICRC)関係者は「オスロ条約で『悪い兵器』というイメージが国際社会に広まった効果だ」と語り、クラスター爆弾使用に対する国際的圧力の高まりを表すものだという見方を示した。

毎日新聞 2009年2月4日 21時41分

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