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「100万円払うので内定辞退を」1月7日、届いた手紙(1/2ページ)

2009年2月2日18時45分

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 この春に就職予定の大学生や高校生の内定取り消しが、年が明けても止まらない。厚生労働省の調査では、93年度以降、過去最悪を記録した。ある女子大生も突然、予想外の境遇に見舞われた。

 100万円を払うので内定を辞退してください――。中日本に住む女子大生(22)のもとに1月7日、こんな手紙が届いた。表題は「希望内定解約の募集について」。就職が内定していた人材紹介会社からの、事実上の内定取り消し通知だった。

 A4判の紙には「これまでの経費削減施策のみで継続した場合、09年度半ばまでに経営困難な事態に陥ると推定されます」と書かれていた。

 新聞やテレビで報道されていた内定取り消し。まさか自分の身に降りかかってくるとは思っていなかった。「働く意欲満々だったのに」と落ち込んだ。ただ、昨年12月にかかってきた電話で、予兆はあった。

 この会社からは昨年4月に内定を受けた。同業のもう1社も内定したが、悩んだ末に選んで就職活動を終えた。5月から9月にかけて、会社から出された課題をこなしてきた。10月の内定式の時点では、ここまでの景気悪化は予想もしなかった。

 11月下旬、会社から「厳しいから覚悟して入社してください」と連絡があった。でも、仕事の厳しさなのか、経営の厳しさなのか分からなかった。会社は理由も言わなかったし、こちらから質問もしなかった。

 ところが、12月中旬の電話では「他の道も考えておいてください」。ぼんやりと輪郭が見えてきた。年明けの卒業論文の締め切りが迫っていた。

 1月14日、会社の人事担当者から経営状況について他の内定者と一緒に1時間ほど説明を受けた。「このまま就職しても会社が倒産する可能性もある」。話を聞いていてそう思った。この会社への就職はやめてもいいかな、と初めて思った。

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