「オンライン請求義務化で大混乱」−日医委員会
日本医師会は2月4日の定例記者会見で、日医の「医療IT委員会」(委員長=佐伯光義・愛媛県医師会常任理事)がレセプトオンライン請求義務化についてまとめた中間答申の内容を明らかにした。同委員会は、レセプトオンライン請求義務化の期限と診療報酬改定が同時期に当たるため、レセプトコンピューターシステム(レセコン)を使用する診療所の請求業務に大混乱が起きるとし、厚生労働省にこれを事前勧告するよう日医に求めている。
【関連記事】
「手書きレセプト」開業医の約6割が「閉院を検討」−オンライン請求義務化
60歳以上開業医の約3割が「辞める」−オンライン請求義務化
「オンライン請求義務化で廃院」8.6%
レセプト請求義務化の撤廃求め共同声明―三師会
「医療の情報化」に向け検討会―経産省
中間答申では「全国の約1万3000医療機関が手書きでレセプトを作成している」と指摘し、こうした医療機関では「これまでも今後もレセコンを必要としていない。仮にレセコンを無料配布しても使用する必要性がなく、入力作業を行う事務員もいない」としている。
また、▽レセプト電算処理(電子媒体)を標準搭載していないレセコンを使用している医療機関が多いため、オプション対応などに高額なコストが掛かる▽レセプト電算処理への移行の際に、独自の傷病名コードを厚労省の統一コードに変換・整備する作業に数か月の準備期間が必要になる―などの問題点を挙げている。
さらに、機密性の高い患者情報の保護に必要なセキュリティーポリシーの策定と、それによる情報管理体制が要求されていることについて、「専門家でもない一般会員がこのセキュリティーポリシーを理解することは容易ではない」と指摘。その上で、「医療機関からの患者情報流出が発生する可能性が極めて高く、訴訟問題が発生する可能性もある」としている。
これらを踏まえ、中間答申では、課題の解決や周辺整備がおざなりにされたまま、やみくもにIT化を進めようとする国の姿勢は「甚だ遺憾」と強調。日医に対し、この問題が地域の医療供給体制に大きな影響を与えないよう関係方面への働き掛けを求めている。
同委員会は昨年4月に発足。唐澤祥人会長からの諮問を受けて検討を続けている。今後の状況を踏まえた上で、2009年度末に最終答申を行う予定だ。
更新:2009/02/04 22:44 キャリアブレイン
新着記事
「オンライン請求義務化で大混乱」−日医委員会(2009/02/04 22:44)
女性産婦人科医の喫煙率、8年間で3倍超に(2009/02/04 19:28)
インフルワクチンとウイルスの抗原性に“ずれ”(2009/02/04 11:56)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第47回】山崎學さん(日本精神科病院協会副会長) 一昨年夏、日本精神科病院協会などでつくる四病院団体協議会の総合部会で、メディカルスクール検討委員会の設立を提唱した日精協の山崎學副会長。その後は同検討委の委員長として報告書の作成に尽力し、今年1月22日、念願だった報告書発表会の開催にこぎ着けた。 ...
島根県医療対策課の木村清志・医師確保対策室長は、週末になると頻繁に全国各地へ出掛けて行く。県内の医療機関での勤務に関心を持つ医師に会ったり、医師確保に関するアドバイスを関係者から受けたりするためだ。もともとは総合診療医として県立病院に勤務していたが、地域の医療機関が医師不足にあえぐ中、5年前に現職 ...
WEEKLY
アクセスランキング
ランキングがバージョンアップ!
週間・日間ランキングの他に、スクラップ数ランキングやみんなの感想ランキングが新しく登場!!
>>ランキング一覧はこちら