今年の縁起の良い方角である恵方は東北東だ。きょうの節分に、恵方に向いて太巻きずしを食べると願い事がかなうといわれる。
食べ方には作法がある。しゃべりながら食べると福が逃げるので無言で願い事をしながら食べ終える、包丁を入れると縁が切れるので丸かじりするなど。だれが考えたのか、なるほどと思わせる。
大阪が起源などとされるが、いつの間にか全国に広まった。恵方巻きが話題になりだしても、丸かじりするのは品がないと抵抗感があったのだが、それほど目くじらを立てることもないのだろう。家族がそろって作法通りに食べている光景を思い描くと楽しくもなる。
ただ、太巻きが一本丸々食べ切れるのかが不安だ。ミツカンのホームページをみると、子どもや女性には食べやすい「細・恵方巻き」を提案している。太巻きと比べて細い分、御利益は少なくなるのではと心配だが、これも時代の流れか。
節分には豆をまいて邪気を払うのが定番だ。各地の寺社などで行われ、タレントを招いて盛大なところもある。深刻な不況によって雇用危機がますます高まっているだけに、福をつかもうと多くの人出があろう。
低迷する消費に、恵方巻き人気が少しでも回復のきっかけとなればと願う。寺社がにぎわえば人々の元気もわいてこよう。