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環境対策:足立区の小5全員、今夏自宅で気温計測 東京

 東京都足立区は今夏、夏休み中の小学5年生全員に毎日自宅で気温を測ってもらい、そのデータをヒートアイランド現象解消などの環境対策に役立てることにした。自治体の環境政策に多数の小学生が参加するのは珍しく、名付けて「あっちっちこども観測隊」。経費は民間企業に委託した場合に比べ100分の1ほどに圧縮できるといい、区は「地球にも財政にも優しい政策」として成果に期待する。【合田月美】

 少ない経費で区内全域を網羅する詳細な気温分布のデータを集めることが目的だが、観測への参加で、子供たちに温暖化問題への関心を持ってもらう狙いもある。来年度予算に温度計購入費409万円を計上した。

 計画によると、全区立小学校72校の来年度の5年生約5000人にそれぞれ温度計と記録表を配布。1日1回、午後の定時に気温を測り、記録してもらう。毎日きちんと記録した児童や学校は表彰する。

 集約したデータは公表し、データを活用した新たな環境事業の企画の公募も予定している。測定方法は専門家に相談し、効果的なデータ集約を目指す。

 区内5000カ所で、同様のデータを得るため外部発注した場合、区の試算では4億円ほどかかるとみられる。担当者は「民間なら人件費だけで多額の経費がかかるが、この方法なら少ない経費で貴重なデータを得ることができる。データはいろいろな場面に役立てていきたい」と話している。

 埼玉県に接する足立区は沿海部に比べ、真夏の気温が上がりやすい。04年7月20日には区西部の江北地区で都が42.7度の最高気温を観測しており、ヒートアイランド現象の深刻化を印象付けた。

 足立区はこのほか、専門家が区内の事業所を巡回して二酸化炭素(CO2)排出抑制やゴミの減量を助言する「温暖化防止Gメン派遣事業」や、緑化を目的とした「緑の基金」の創設も計画している。

毎日新聞 2009年2月3日 14時45分(最終更新 2月3日 14時52分)

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