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温家宝首相に靴投げる 英大学で講演中、命中せず

2009年2月3日20時14分

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写真英ケンブリッジ大学で2日、講演する温家宝・中国首相=AP

写真拡大英ケンブリッジ大学で2日、温家宝・中国首相に投げつけられた靴を拾う警備員=AP

 【ロンドン=土佐茂生】英国を訪問している中国の温家宝首相が2日、ケンブリッジ大学で講演中に、会場にいた男から靴を投げつけられる騒ぎがあった。靴は首相から約1メートル離れた壇上に落ち、当たらなかった。投げた男(27)はその場で警備員に取り押さえられ、公共秩序妨害の罪で起訴された。

 ロイター通信などによると、温首相は大学の講堂で世界経済に関して講演中だった。会場の後方にいた男が突然、笛を吹いて立ち上がり、「ここに独裁者がいるぞ。よく彼の言うウソを聞いていられるな。どうして大学は独裁者に身を売ることができたのか?」などと叫んで、黒いスニーカーを投げつけた。

 講演は一時、中断したが、温首相は取り乱すことなく、「我々は平和にやっている。男の行為が中英の友好を妨げることはない。調和は武力によって妨害されないと歴史が証明している」と再び語り始めた。会場の中国人留学生から歓声が上がったという。

 温首相は欧州を歴訪中で、最後の訪問地として1日、ロンドンに到着した。在英中国大使館前では、中国政府によるチベット人や反政府活動家への弾圧に抗議するデモが起き、5人が警察当局に拘束された。この日の大学の会場にも、チベット支援団体ら数十人が集まっていた。

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