生活者に愛され、社会になくてはならない企業として信頼関係を作るため、ブランディング活動をする企業は多い。
簡単に言えば、企業ブランディングは、まず、企業が世の中にどのような価値を約束するのかを決めることから始まり、広告によってその価値を世の中に伝える。約束された価値とともに企業の名前を生活者の頭のなかに刷り込む。また、その価値を具現化した新商品やサービスなど、様々な企業活動を通して約束した価値を社会に送り届ける。
企業が約束した通りの価値が生活者に提供され続けていけば、そこに、生活者と企業との信頼関係が築かれ、ブランド力も上がっていく。最近では、環境に負荷をかけない社会づくりや、生活弱者にも優しい暮らしの創造など、企業はより社会性の強い価値を世の中に約束している。
しかし、近年、企業の積年のブランディング活動にもかかわらず、一瞬にして企業と生活者との信頼関係を揺るがす出来事が相次いでいる。一部の企業による産地、賞味期限の表示偽装問題は多くの生活者に衝撃を与えた。
そして、百年に一度の経済金融危機に伴う一部大企業による派遣労働者など非正社員の人員削減は、多くの失業者を生み、社会の混乱を招いている。一方、次々に発表される企業の大型赤字に、リストラもやむを得ないと同情する向きも一部にあるが、「多大な内部留保はどうしたのか」という声に明確に答える企業はなく、世の中の共感を得られずに、企業イメージはダメージを受けたと予想される。CSR(企業の社会的責任)の観点からも、不況に耐え雇用を維持する企業の決断が求められる。(深呼吸)