【社会】浅間山が小噴火 関東の広範囲で降灰2009年2月2日 夕刊
気象庁は2日、長野、群馬県境の浅間山(2、568メートル)で同日午前1時51分ごろ噴火を確認したと発表した。程度は小規模。直径50センチを超える噴石が火口の北側1キロまで飛散するのが観測されたが、けが人や建物への被害などは確認されていない。 浅間山の噴火は「ごく小規模」だった昨年8月以来。火山灰の噴出は同日午前8時ごろまで続き、一時は火口から約2000メートルの高さに達した。風に乗って長野県軽井沢町のほか関東の広い範囲で降灰が確認された。 気象庁は1日に山の膨張や火山性地震の増加から噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げ警戒、21年ぶりに噴火した2004年9月と同等の「中規模の噴火」を予想した。2日未明の噴火以降、火山性地震は減少し、マグマの上昇の兆しも鈍化しているという。 気象庁浅間山火山防災連絡事務所(軽井沢町)の前川和宏所長は「今は白い煙が出ているだけ。落ち着いてきている。ただ、これで終わるとは考えにくい」として注意を呼び掛けている。気象庁は引き続き噴火警戒レベル3を継続し、火口から4キロ以内の立ち入りを制限。長野県防災ヘリを使い調査隊員や専門家と上空から火口付近の状況を調査している。 【浅間山】 群馬、長野両県にかかる標高2、568メートルの活火山。爆発型(ブルカノ式)噴火が特徴の安山岩質の成層火山で、火砕流も発生しやすい。有史以降の噴火はすべて山頂噴火で、山頂火口からは常時噴気が出ている。気象庁が地震計、傾斜計、衛星利用測位システム(GPS)、遠望カメラなどで監視活動を続けている。
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