「立ち食いもつ鍋」で沈滞する街を元気に‐。福岡県久留米市小頭町の飲食店「喜八亭」は2日夜から、一杯100円のもつ鍋を売り出す。ただし店舗前での立ち食い限定。店外にお客さんが並ぶことで、街のにぎわいを演出する狙い。景気悪化などで周辺の飲食店も客足が落ちており、同店主の服部克己さん(55)は「手ごろな値段で人を集め、街を活気づけよう」と張り切っている。
同店は市中心部の一角にあり、周辺に飲食店10軒ほどが軒を連ねる。2005年11月に近くのダイエー六ツ門店が閉店して、人通りが激減。今年2月末には同店から約150メートルの久留米井筒屋も閉店予定で、服部さんは「このままでは、みんな一緒に沈んでしまいかねない」と心配する。
100円もつ鍋は、取引先の広告代理店「コットンタイム」(同市野中町、野下あつ子代表)が「街に人を呼び込むきっかけに」と企画を持ち込み、服部さんが引き受けた。
もつ鍋はもともと同店の人気商品。あっさりしたしょうゆ味スープに、もつ、キャベツ、ニラ、もやし、わかめ、ニンニクと具も豊富だ。
店内なら一人前780円だが、100円もつ鍋は使い捨ておわん一杯の量で提供するため、やや少なめ。服部さんは「100円では採算は厳しいが、安くてうまいもつ鍋で心も体も温めて」と話している。100円もつ鍋は2月中の月、水、金曜日の午後6‐11時に販売する。喜八亭=0942(36)0508。
=2009/02/02付 西日本新聞夕刊=