(cache) 紀南の自治体で差　チャイルドシート支援策

紀南の自治体で差　チャイルドシート支援策

　６歳未満の乳幼児を車に乗せる際、使用が義務付けられているチャイルドシートについて、和歌山県南部の自治体の支援策に差が出ている。県内では使用率が低迷しており、子どもの身の安全や少子化対策のため、印南町以南の12市町村のうち７町村が購入費の補助や貸出制度を設けている。一方、人口の多い田辺市や新宮市、白浜町には支援策はない。

　チャイルドシート購入時に半額補助（上限１万円）をしているのは、上富田、串本、古座川、太地、那智勝浦の５町。着用が義務化された２０００年４月の直前から始めたところが多い。

　上富田町は、子どもの成長によってチャイルドシートからジュニアシートに買い替える場合も考えて、幼児１人につき２回まで補助している。義務化された00年度は２０８件、ここ数年は毎年70～80件程度の申請がある。08年度の申請は12月末現在63件になっている。

　２歳の男児と近々第２子を出産予定の同町南紀の台の主婦（30）は「必要なものだけれどけっこう高いので、補助はありがたい」と話している。

　串本町では05年度から始めた。初年度は20件だったが、07年度は25人、本年度は25日現在で17人が申請した。

　チャイルドシートの貸し出しをしているのはすさみ、古座川、北山の３町村。みなべ町と印南町では、社会福祉協議会が貸し出している。

　みなべ町社福協では１歳までの最長１年間、使用料２００円で貸し出している。９台を用意しているが、好評でたいてい全台貸し出し中の状態。

　すさみ町は、チャイルドシート10台、ジュニアシート20台を用意し、２週間の短期貸し出しをしている。町出身者が里帰りした際などの一時的な利用に対応しており、盆や正月休みの利用が多い。チャイルド、ジュニア合わせて毎年10件前後の利用がある。

　一方、田辺市や新宮市、白浜町は購入費の補助、貸し出しともにしていない。

　田辺市子育て推進課は「市の財政事情もあり、実施していない。貸し出しについても、シートの耐用年数や何台用意すればいいのかといった問題もある」。新宮市子育て推進課は「必要だという声はこれまでも上がっていたが、県内の状況をみると実施していない自治体もあるので、いまのところは考えていない」と説明する。

　警察庁と日本自動車連盟（ＪＡＦ）の調査によると、08年４月の県内の使用率は39・４％で、全国平均（50・２％）を大きく下回り、近畿２府４県で最下位だった。調査を始めた02年以降、07年を除くすべての年で全国平均を下回っていた。06年は34・３％で、全国ワースト５だった。

【６歳未満の乳幼児に着用が義務付けられているチャイルドシート】

(2009年01月26日更新)