【ソウル=島谷英明】韓国銀行(中央銀行)が30日発表した2008年の資本収支は509億ドル(約4兆5000億円)の赤字となり、統計のある1980年以降で過去最大の赤字となった。米金融危機をきっかけに海外マネーが一斉に韓国外に流出。通貨のウォン安が進んだ結果、輸入価格が上昇するとともに、外貨建て借り入れの返済負担が増加し、韓国経済の急減速を引き起こした。
資本収支は海外との証券投資や直接投資などによる資金の流れで、赤字は流入より流出が多い状態を示す。韓国の資本収支は07年まで6年連続の黒字。08年は1年間で過去6年分の黒字(約570億ドル)に迫る金額が流出した。
月間では昨年12月まで赤字が4カ月続いており、海外への資金流出には歯止めがかかっていない。08年は経常収支も通貨危機の1997年以来、11年ぶりの赤字(64億ドル)。韓国は対外債務の返済などに必要な外貨を獲得する力が衰えている。(30日 21:14)