大相撲・尾車部屋の十両力士、若麒麟真一(本名・鈴川真一)容疑者(25)が大麻取締法違反(共同所持)容疑で逮捕された事件で、日本相撲協会は2日午前、東京都墨田区の両国国技館で定例理事会を開き、若麒麟容疑者の解雇を決めた。
◇尾車親方は平年寄へ2階級降格
大麻をめぐる現役力士の処分は、昨年8月に大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕された元若ノ鵬(間垣部屋)、昨年9月の協会の薬物検査で大麻の陽性反応が出た元露鵬(大嶽部屋)、元白露山(北の湖部屋)兄弟のロシア人力士解雇に続いて4人目。日本人力士では、時津風部屋力士暴行死事件で逮捕された3力士が昨年12月に解雇されている。また、師匠の尾車親方(元大関・琴風)も、現在の委員から平年寄へ2階級降格された。
若麒麟容疑者は逮捕翌日の先月31日、尾車親方を通じて協会に引退届を提出したが、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)が処分を理事会に諮るため、受理せず保留扱いとしていた。当初、理事の間では、解雇よりも厳しく、退職金に当たる力士養老金を支給しない除名処分を求める声もあった。武蔵川理事長は「まだ25歳と若く、第二の人生を考えると除名はかわいそうと判断した。最後は満場一致」と話した。若麒麟容疑者の力士養老金は約530万円。
若麒麟容疑者は先月30日、東京都港区のCD販売会社事務所で知人のミュージシャン(30)とともに、乾燥大麻16グラムを共同で所持していた疑いで神奈川県警に現行犯逮捕された。【武藤佳正】。
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