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日本の雇用:大津波が直撃 製造業派遣の是非、争点に(2/3ページ)

 「(製造業派遣)制度をつくったのはだれかと言われると、内心忸怩(じくじ)たる思いだ。誰か一人でも職を賭して止められなかったのか。私は謝りたい」

 1月6日、連合広島の旗開きで飛び出したそのあいさつは労組幹部を仰天させた。発言の主は厚労省キャリアの落合淳一広島労働局長(53)だった。

 ニュースで伝え聞いた上村隆史厚労審議官は翌7日、落合氏を上京させ、「法の施行者として不適切な発言だ」と口頭で注意した。落合氏は「大臣(舛添要一厚労相)が製造業派遣の規制を表明したのでいいと思った」と釈明したという。

 厚労省は派遣の禁止対象を日雇い労働に限る労働者派遣法改正案を国会に提出済みだ。落合発言はその不十分さを自ら認めたことになる。ただ、省内では、製造業派遣の規制強化に同調する声が決して少なくない。

 戦後の労働政策は直接雇用が原則だった。しかし、米国型経営が国内に流入してきた99年、政府は産業界の声に押されて派遣労働を専門分野以外にも拡大した。04年3月には製造業への派遣も解禁され、03年度に236万人だった派遣労働者は07年度に381万人にまで膨れ上がった。

 03年5月の国会審議で当時の鴨下一郎副厚労相は、派遣労働が安易な解雇につながらないかとの質問に「解雇に関する制約を免れるために利用されることはない」と答弁している。法改正に当たった坂口力元厚労相(公明)は「一定期間たてば正規雇用に置き換えられると思っていたが、思うようにいかなかった」と振り返る。

毎日新聞 2009年2月1日 23時02分(最終更新 2月1日 23時05分)

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