「中央公論」１９５２年１１月号

「日韓両國の間に横たわるもの」

【元 東亞日報主筆・金三奎】
「異民族の支配下にあることほど不幸なことはない。禿山を緑化し、土地を改良し……西歐帝國主義の植民地に比べて一視同仁の善政を施したなどと頬冠りするのは、かえって辨解がましい。それらの建設は日本の國力伸長と日本人のためであって、朝鮮人のためではなかった。その善政のおかげで……(貧農は)或いは滿洲や日本に流れて行った。」
「終戰後に朝鮮人が目に餘る行き過ぎをしたことをたびたび聞かされるが、彼らがどれだけいじめられ、踏み付けられていたかを理解する人は少い。お互い古傷に觸れたらきりがないし、朝鮮の古傷の方が遥かに大きくて深い」


【作新学院長・船田亨二】
「しかし、日本が朝鮮半島を領有している間にやったことは、ともすれば、何から何まで韓國側に不利有害なものであったかのようにいわれるけれども、少なくとも、文化的な面において日本人が殘した業績の中に、韓國人がこれを適當に活用すれば、よく韓國人の復興と發展とに役立つものが多いことは、強いて偏見を交えぬかぎり、率直に認められてよいであろう」


今とあまりかわりませんね。強いて言うならば、当時の朝鮮人は、日本を批判しながらも、「歪曲」というような非難の仕方はしなかったこと(もっとも、今でも本国の幼い韓国人以外は言いませんが)、今の日本では、雑誌上で船田氏のような見解を披瀝する人は少数であること、くらいでしょうか。