ニュース: 事件 RSS feed
暴力団の資金源封じで成果 大阪府警が排除通報を活用 (2/2ページ)
府警の通報件数は18年2件、19年1件と思うように増えなかったが、20年は6件と急増。21年もすでに1件を通報し、排除対象は計16社に上った。主な理由は、組長とゴルフ▽組長親族への結婚祝い▽組長と温泉旅行に同行−など。今年1月26日には、組事務所へコメ90キロを送っていた大阪市内の業者が通報された。
府警によると、暴力団側への打撃は大きく、昨年10月に通報された和泉市内の建設会社のケースでは、親交のあった暴力団が同年末に解散に追い込まれた。府警は解散理由として、「会社の資金提供がなくなったことが一因」と分析している。また排除通報された業者は他の自治体でも入札の指名業者から外されたり、銀行融資や取引を停止されたりするなど深刻な影響を受けており、複数の業者が倒産したという。
資金源の減少に発展する排除通報を山口組も警戒。昨年6月には、暴力団幹部と盆暮れの贈答品をやりとりしていた建設会社が通報を受けたことから、山口組本部から傘下の組に、関係企業との贈答を自粛するよう通達が出されたという。
府警幹部は「たとえコメ代でも暴力団に流れることは許さない。暴力団と付き合うだけで会社がつぶれるという流れを徹底していく」と話している。