日韓が危機克服へ協力で一致、通貨スワップ規模拡大を歓迎
[福岡 13日 ロイター] 麻生太郎首相と韓国の李明博大統領は13日午前、福岡市のホテルで会談し、世界的な金融危機の影響などを中心に幅広く意見交換し、その克服に向けて協力することで一致した。
日本政府筋によると、両国中央銀行が通貨スワップ協定の規模を一時的に増額することで合意したことについて、李大統領が謝意を表明。麻生首相もこの合意について歓迎したいと述べた。
また、両首脳は、次回の会合に向け緊密に連携することで確認した。
日韓の中銀は12日、日韓スワップ取り決めの引き出し限度額の一時的増額を発表した。日銀は、韓国銀行との間での円-ウォン貨のスワップ取り決めの引き出し限度額を30億米ドル相当の円またはウォンから200億米ドル相当の円またはウォンに増額する。この措置は、2009年4月末までの時限措置。
同会談では、日韓経済連携協定(EPA)についても意見交換。麻生首相は「ドーハラウンドの議論がまだ進んでいないが、貿易を拡大していく努力が必要である」とし、「日韓EPA交渉を早期に再開させる必要性がある」と言及した。これに対して李大統領は「日韓間の貿易を拡大するとの考え方に同意する」と答え、日韓自由貿易協定(FTA)についても「両国の実務レベルで検討すれば、双方にとって利益となることを見つけることが可能となろう」との認識を示した。
北朝鮮問題については、両首脳とも今週行われた6カ国協議で、北朝鮮が核計画検証の議論に応じなかったことについて残念だったと表明。ただ、検証の問題は北朝鮮の非核化を進めていく上で非常に重要との認識を示し、引き続き日韓間で緊密に連携して6カ国協に取り組む方針で一致した。
(ロイター日本語ニュース 武田晃子記者;編集 田巻 一彦)
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