京都府下ニュース |
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2005年12月26日掲載 |
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サンガの新スタジアム 横大路公園建設で中間報告 総事業費150億、25年度以降供用 交通アクセスと財源で課題も 府・市・商工会議所 |
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京都パープルサンガの新スタジアム計画で京都府、京都市、京都商工会議所で構成する検討委員会(松山靖史委員長)は二十二日、中京区の京都商工会議所で会見し、伏見区の横大路運動公園への建設について中間報告を発表した。 報告では、スタジアムの整備・運営内容や事業手法などが示されたが、交通アクセスなどの課題も盛り込まれた。スタジアムは二万人収容の規模。総事業費は約一五〇〜一六〇億円で、供用開始は平成二十五年度以降を予定している。 検討委は、一月二十日まで中間報告に対する意見を府民や市民から募集し、意見を踏まえたうえで十八年三月に最終報告を取りまとめる予定だ。しかしスタジアム整備の前提条件とする交通アクセスの確保や、府、市、地元経済界などが負担する資金の調達方法などで課題があり、建設計画が大幅に見直しされる可能性もある。 中間報告によると、新スタジアムは屋根付きで約二万人の収容規模とし、サッカー専用でイベントなども開催できる。横大路運動公園の総面積の半分を超える約九万七、〇〇〇uが整備対象となる。 現段階で想定される条件をベースにした総事業費は約一五〇〜一六〇億円で、スタジアム建設費が概算で一〇二億円、区画整理地外の道路整備が九億円、隣接する新駅を整備する場合に駅舎整備費が四〇〜五〇億円必要と見込んでいる。 スタジアム建設費の内訳は、施設整備費が九〇億円、芝整備費が三億円(他事例から算出)、外構整備費が三億六、〇〇〇万円、駐車場整備が七、〇〇〇万円、設計費が二億七、〇〇〇万円、工事監理費が一億八、〇〇〇万円、調査費が三、〇〇〇万円。 スタジアム整備期間として事前調査に一〜二年、設計を含めた整備に二年〜二年半を見込み、スタジアム新駅設置の場合には少なくとも七〜八年度が必要とされている。周辺事業の進捗などを踏まえるとスタジアムの供用は、平成二十五年度以降になる予定だ。 整備手法は、民間ノウハウを活用するのが前提とし、民間資金で施設整備し民間が運営する「民設民営」と、行政が施設整備し民間が運営する「公設民営」の二パターンを想定している。また施設設計の際には、ソフト面でのアイデアを踏まえたものにするのが重要で、設計と運営ノウハウを併せた民間提案を求めることが魅力あるスタジアムにつながるとしている。 運営計画については民間主導で実施する。交通アクセスの課題がクリアし、平均一万三、〇〇〇人の動員数があるとの前提で、年間一億三、六〇〇万円の赤字が発生すると試算しており、独自の広告収入源の確保やネーミングライツの導入、客席下スペースの活用、コンサート等のイベント開催など増収案の実施が必要不可欠としている。 そのほか、スタジアムを管理するために一定の大規模修繕に要する費用がいることから、別途、経費を賄う基金の積立などの必要性を求めている。 一方で検討委は、スタジアムへの交通アクセスや、計画地がごみ埋立地であるため施工面での難しさなどの課題を指摘。二十三年度に完成予定の最寄りの淀新駅から計画地までは相当の距離があり、スタジアムに隣接する新駅の設置が必要で、京阪電鉄と協議を進めているが、多額の費用がかかり、整備には少なくとも七〜八年の期間を要するとしている。 また計画地がごみ埋立地であることから施工の際に、埋立層(ごみ層)の耐久性が不安定で支持層(地下一八m以上)まで杭を設置するなど工法上の工夫が要求されるとしている。このほか大規模駐車場の確保や周辺事業とスタジアム建設との調整、警察との道路整備や安全対策の協議などを課題として挙げている。 新スタジアム建設計画は、サンガが十五年の天皇杯で優勝したのを機に一気に気運が高まり、三五万人を超える府民、市民からの要望を受け、府、市、商工会の三者で研究会を発足。南部クリーンセンターに隣接する伏見区の横大路運動公園を候補地として選定し、十七年度からは府と市が当初予算に調査費を計上して商工会も加えた検討委を設置し、調査を進めていた。 |
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建設タイムズ |
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