勝海舟と李完用、あるいは日米開戦 | 723|共感3
1723600| JAPANtokoi | 2008.11.30 19:26:40
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大仰なタイトルだが、ちょっとした疑問で大したスレではない。


久しぶりに福沢諭吉を読んでいたら、こんな文章があった。


左れば自国の衰頽に際し、敵に対して固より勝算なき場合にても、千辛万苦、力のあらん限りを尽し、いよいよ勝敗の極に至りて始めて和を講ずるか、もしくは死を決するは立国の公道にして、国民が国に報ずるの義務と称すべきものなり。すなわち俗にいう瘠我慢なれども、強弱相対していやしくも弱者の地位を保つものは、単にこの瘠我慢に依らざるはなし。

(中略)

然るに爰に遺憾なるは、我日本国において今を去ること二十余年、王政維新の事起りて、その際不幸にもこの大切なる瘠我慢の一大義を害したることあり。すなわち徳川家の末路に、家臣の一部分が早く大事の去るを悟り、敵に向てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて自から家を解きたるは(tokoi註 勝海舟の江戸開城のこと)、日本の経済において一時の利益を成したりといえども、数百千年養い得たる我日本武士の気風を傷うたるの不利は決して少々ならず。得を以て損を償うに足らざるものというべし。

(中略)

内国の事にても朋友間の事にても、既に事端を発するときは敵はすなわち敵なり。然るに今その敵に敵するは、無益なり、無謀なり、国家の損亡なりとて、専ら平和無事に誘導したるその士人を率いて、一朝敵国外患の至るに当り、能くその士気を振うて極端の苦辛に堪えしむるの術あるべきや。内に瘠我慢なきものは外に対してもまた然らざるを得ず。これを筆にするも不祥ながら、億万一にも我日本国民が外敵に逢うて、時勢を見計らい手際好く自から解散するがごときあらば、これを何とか言わん。

『瘠我慢の説』は勝海舟や榎本武揚に対する批判として引用されることが一般には多いが、同時に、危機に際した時の国家としてのあるべき姿に関する福沢の見解を表明したものでもある。

Naver歴史板時代から、この板では、李完用を「朝鮮を救った英雄」と評価する日本人がいる。それも一つの立場であろう。しかし、ならば、日米開戦で、「敵に向てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて自から家を解きたる」選択を日本が取ったとしたら、彼らは支持しただろうか。

また、「敵に向てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて自から家を解きたる」態度を非とする場合、江戸開城はどのように評価すべきだろうか。




IP xxx.181.xxx.171
jpn1_rok0|11-30 19:36
まあ、太平洋戦争を「アジア独立のための聖戦」なんて評価しようとするのは、「3.1運動はアジア諸国の独立運動を勇気づけたの!」と同じようなものとしか思っていないの。ウリw
falstaff|11-30 19:37
【日米開戦で、「敵に向てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて自から家を解きたる」選択を日本が取ったとしたら】 ・・・その後の歴史の流れで、どうとでもなったように思えるけどねぇ。
 → falstaff|11-30 19:39
あとでそれを、 祗園一力の場の大星由良之助だったんだよ、という説明を付けることも可能だよね、多分。w
 → tokoi|11-30 19:43
歴史の流れではなく、国家的選択として、ね。
 → falstaff|11-30 19:45
tokoi|11-30 19:43 >【彼らは支持しただろうか】の「彼ら」とは、後世の評価ではないの? その意味で、後付けでなんとでも言い訳できるんじゃないのかな?
 → tokoi|11-30 19:47
「彼ら」とは、「李完用を「朝鮮を救った英雄」と評価する日本人」のことですから、当然、現在の評価ですよ。
jpn1_rok0|11-30 19:49
というか、太平洋戦争の開戦の決断だって、日本国内ですら「正しかった」「やむを得なかった」「間違いだった」と判断が分かれているわけでしてねえ。日本はこう判断しているなんて者がいれば、「それ、何を基準に語ってるの?」で割と終わると思うの。( ´H`)y-~~
falstaff|11-30 19:51
tokoi|11-30 19:47 >であるとしても、日米開戦を屈辱的方法であれなんであれ、仮に戦争を避ける判断がなされたとしたら、それはそれでそれなりの納得できるエクスキューズがなされたと思うんだけどね。 ま、イフの世界だから、議論のための議論になっちゃいますな。w
 → tokoi|11-30 19:55
まあ、そうかもしれませんが、その場合、どういう論理でエクスキューズし、それが他に対する評価と整合性を持ち得るかが問題でしょうね。
 → falstaff|11-30 20:01
後世の評価なんてものに論理を期待しても... どうなるかはわかりませんよなぁ。田母神擁護のボケナスどもが日本のマジョリティになれば、あれが正しい見解になるかもしれないなどと考えると、歴史って結局その時の解釈でなんとでもなるのかと悲観的に考えてしまうオイラです。(年取ったのかなぁw)
 → tokoi|11-30 20:05
?私が言っているのは、「世間的に正しいとされる評価」ではなく、「ある人が下す評価の整合性」ですよ。
 → falstaff|11-30 20:08
tokoi|11-30 20:05 >じゃあ、「後世の不特定多数の意見・評価」ではなく、特定の人の評価ということ? では、「彼ら」ですらないということになりますな。個別の事に関しては判断できないから、uriの意見は、筋違いだったということで、退散します。
 → tokoi|11-30 20:12
貴殿がどういう風に解釈しているのかわかりませんが、スレの主旨は「李完用を「朝鮮を救った英雄」と評価する日本人」(=「彼ら」)が、日米開戦に関して「敵に向てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて自から家を解きたる」選択を是とするかどうか、ということでして。
jpn1_rok0|11-30 19:53
でもまあ、往々にして存在する太平洋戦争の開戦について「「正しかった」「やむを得なかった」と評する者達の多くがこの質問に論理的整合性をもって回答する事は無理だというのは見えているの。( ´H`)y-~~
 → jpn1_rok0|11-30 19:53
基準が「自分の感情に対して都合がいいか悪いか」という乳児の「快・不快」レベルの判断だから( ´H`)y-~~
 → tokoi|11-30 20:02
太平洋戦争の開戦について「「正しかった」「やむを得なかった」と評価する人は概して国益重視の人たちですから、なおのこと「瘠我慢」について検討すべきだと思いますけどね。
stmofh|11-30 20:46
敗戦を決断した昭和天皇は?
yasoshima|11-30 21:13
問題は、概ねのコンセサスの取れない決断をすることであって、開戦時は概ね海戦で大勢が納得し、終戦時は終戦で概ねが納得していたから「開戦しない場合の問題」「終戦しない場合の問題」などが回避出来ているのだと思います。韓国併合も韓国人は大抵抗をしたかの認識が多いですが、指導層の大勢は「こりゃ併合でもしないと駄目だ。このままでは収まりがつかない」と思っていたのではないかと。
greatjp22|11-30 23:58
アジア諸国の独立機運が高まったのは、何も日本が本気で画策したことではないねw 日本だって日本を頂点とした連合体にしたかっただけで、それが失敗したのだから、あれは単なる結果でしかないと思う。白人支配が終了したという部分で歴史的な評価をされることは将来あるかもしれないとは思うけどね。
【私信】はびたんへ [8]
- 勝海舟と李完用、あるいは日米開戦 [19]
私は重要な情報を言わないと言ったの [4]