このスレでは、お兄さんと独裁者、黒猫氏のレポートから漏れ落ちたものを拾っていくことを主眼とする。
無事小豆島に上陸した一行は、図書館に隣接する尾崎方哉資料館に行く。ここは尾崎方哉記念館の付属施設ということらしく、記念館で入場料を払っておかねばならないらしい。職員の方と話をして、記念館のほうは後で行くこととし、とりあえず資料館に入らせてもらえた。
尾崎方哉といっても、この旅行に出発する直前に慌てて調べた程度の知識しかないのだが、「スレを立てても一人」の元ネタである「咳をしてもひとり」という俳句を作った人物で、破滅型の俳人として知られているようではある。
ここで一同がややざわめいた。その視線の先には「朝鮮貴族服」を着用した方哉一家の写真があった。彼は、朝鮮に設立された保険会社の支配人だったという経歴があり、その際に撮影したものらしい。
資料館を出て徒歩で記念館に向かう。20秒ほど歩くと右手に教会があり、高山右近の銅像が建っている。伴天連追放令の後、小西行長の領していた小豆島に一時隠れていたのを縁とするらしい…このあたりは既に暗黒卿がぜおんぐおぼへがきで触れているので割愛する。
さらに歩くと肉屋があった。先ほど車で移動中にも目についた店であるが、黒猫氏と暗黒卿は気になっていたようでありコロッケを購入していた…お肉の加工品をおいしそうに齧るお二人。やはり捕食者側だよなぁ…

昼食は、リゾートホテル「オリビアン」のランチ。男子在り氏と私が食したものには蒸し野菜がついていた。誰とも無く「大地の恵み」と呟く。

オリーブ公園にてお兄さん曰く「独裁者に見せたいものがあるんですよ」。ギリシャで使用されていたオリーブ採取用の石臼と明治年代に使用されていた圧搾式機械である。暗黒卿は喜んで「奴隷！強制労働！」と叫びそれらに取り付き動かそうとする。私は４年前にソウル南山公園を訪れた際、イベントに使用された後放置されていた銅鑼を拾って「ジャーンジャーン」と鳴らして「げぇぇっ、伏兵だ」の横山三国志ごっこを堪能したのだが、それと同じものかと共感を覚えた。

醤油記念館に入る前、しょうゆアイスを食しながら暗黒卿が記念館の看板を指さし私に話しかける。「あの『館』の字の右側、あれが読みにくいんですよ」「ああ、『官』ですね。アジ歴でよく出てくるやつで。最初は読めなかったんですが獄長日記を読んでいるうちに慣れてきて…」ふと横を見ると黒猫氏が両耳を覆っている。無理も無いことであろう。

夕食時、ぜおんぐおぼへがきに「酒進みたるも、kimura兄の舌に合わざる物あり」とあるように、「残念な」酒があったのは事実である。お兄さん曰く「普通の蔵元が適当に手抜きで作った味ではなく、歴史も技術の蓄積も無い若い蔵元が一生懸命がんばって作ってこの味だから「惜しい」「残念」と称するのである」と謝すると、暗黒卿(お兄さんだったかも知れぬ)が「つまり金玉均ですな」と言い、その酒は「金玉均」と命名されるに至った。そのせいで私はその酒の本来の名前を覚えていない…ただし、黒猫氏の言うように開けてから時間を置けばまた味も変わるだろうし、燗をすればちょうど良い程度の味になるかも知れぬ。蔵元には今後の精進に期待したいとえらそうに結んでおく。
そうそう、宿に到着してから夕食までの間に雑談したのだが、かこいいがもさんの話題になったのだが詳細は伏せる。ただお兄さんのがもさんに会いたい気持の強さには感服したとだけ書いておく。

（剃る毛なんてもとからないだろ、というツッコミは無しで）

実に濃い２日間でしたよ…