6月8日午後2時7分、用事を済ませた私は新大阪から新幹線に乗りこんだ。岡山で在来線に乗り換え、高松に着いたのは5時35分のことである。
改札口の向こうには憔悴しきった黒猫氏が佇んでいる。氏は苦しい息の下から、木村お兄さんの弾けるトークと暗黒卿の圧倒的な情報量に押しつぶされそうになったのだと語った。さもあらん。
黒猫氏の案内でホテルにチェックインした後、お兄さん・暗黒卿・男子在り氏と合流を果し、最初の店に行く。
酒と料理については、黒猫氏が先にスレをあげられておるゆえ多くを語るまい。ネタの重複を避けて述べんと欲すれど、私の拙い筆では虎を描いて猫に似るが如し……廃人ドルに羨ましがらせるのを避けるためなんかじゃないんだからねっ
私が感銘を受けたのは、やはり刺身のよさである。
ここの刺身は実に良い。こればかりは我が良心を以て説くところならん。やはり酒には刺身がよく似合う。良き酒には佳き刺身を。一同心より感じ入った次第である。
それゆえか、いきなりお兄さんが刺身を手づかみに貪りだした。ややあって寂しそうに呟く。
「どうして、『何故ナイフを使わないんだ?』とかぶせてくれないの?」
これはしたり。いくら南海道に属する讃岐高松とはいえ難解すぎるにもほどがある。たしかにこの場には独裁者スターリンもベリヤもいる。とはいえ、レーニンがフルシチョフ役をやるのはどうだろう?…解説はしませんよ。

さらには暗黒卿がジオンについて語りだす。
「ジオンの魂を継いだ者は誰か?」
ジオンの話題としてこれほど刺激的なものも多くはあるまい、と感じる。
それにも増して刺激的であったのは、独裁者による一心不乱のブス萌え講義である。目を輝かせながら、数寄者が茶器を愛でるが如く銘をつけてブスを堪能する悦びを語るさまはまさにブス萌え界の村田珠光か千利休か。


濃すぎる、濃すぎるよぅ…