そこに立ち竦んでいた人がいたことを知っておられたか/排除の論理をどう克服するか
日比谷の派遣村に自民党の女性議員がエプロンを持参して駆けつける。
労働組合の旗が林立し、組織された支援グループが動き回っている最中ということを考えれば、その議員が疎外感、孤立感、そして違和感を抱いてそこで立ち竦んでしまった、ということは、不思議ではない。
しかし、そのような善意を、心ない声が踏みにじってしまう。
あんたらは、関係ない。
そうではなくて、みんなが協働することが必要なはずだ。
自分たちだけが正義の味方で、公務員や国会議員は、甘い汁を吸っている特権階級。
そういう思い込みで、なにか自分でも出来ることはないか、と押っ取り刀で駆けつけた善意の女性議員を冷たく排除する。
そうしてはならないはずだ。
そこに自らの意思でささやかながら動こうとした人がいる。
その人をしっかり味方にすることが必要なはずだ。
労働組合の旗が部外者を排除するための旗になってしまう、というのは本意ではないはず。
私のブログの読者にも労働組合の関係者がおられるようだ。
時々辛口のコメントが返ってくる。
人を大きく、大きく包み込む。
人の善意を決して虚仮にしない。
人の未熟を嘲笑わない。
派遣村の村長湯浅さんを自民党の本部に呼びつけた、などというのは、悪意の表現だ。
現場で様々な相談を受け、役所や国会議員とは違った立場で様々な提案をされている湯浅さんのご意見をしっかり受け止め、どう具体的に政策に反映していくか、そのための政策勉強会である。
与党だから現実の政策に反映できる。
自民党の国会議員の政策勉強会だから、役所の人たちも出席して湯浅さんの提言に耳を傾けることが出来る。
先日の勉強会には、派遣契約が打ちきりになり、住居の確保に難儀された経験を持つ二人の方が出席された。
派遣契約が終了し雇用保険の申請をするときに、「会社都合」ではなく「、自己都合」と記載することでどんな不都合が生じているか、次の仕事先を見つけるまでの間に、住居の確保、とりあえずの生活支援金の給付等が必要な事情、さらには生活保護に辿り着くまでにどんなケアがあるのかを親切に教えてくれるセーフティネット窓口の開設の必要性、雇用主や派遣事業者側において派遣従業員受け入れ体制整備のためにどんなことが必要か、などなど現場経験がなければ分からないことを、こうした機会を通じて自民党の若い国会議員が知っていく。
見て見ぬふりをするのではない。
知らないことを知ろうとしている。
そういう真面目な国会議員をあえて排除するようなことは、止めた方がいい。
新しい時代。
自民党の若い国会議員は、皆自分がオバマにならなければならない、という意気込みで動き始めている。
いいことではないか。
ずれているな、とか、あなたたちに責任があるのだから、その責任を痛感しなさいよ、などという心ない言葉は、なるべく耳にしたくない。
折角の心意気に水を差してしまっては、とても「大きな和」を作ることなど出来なくなってしまう。
■派遣村
私の個人的な感覚で恐縮ですが、早川先生のブログへの書き込みをされる方で労働組合関係者らしい思考をしている書き込みは余り見られないと思います。
派遣村に関しては、重要な事は派遣村で活動しているうさん臭い人達ではなく、その背後にいる何十万、何百万という人への有効な施策を打てるかどうかです。
そういった意味で、派遣村での経験が現実の政治に提言が生かされていく事はとても重要な事だと思います。
「与党の国会議員と向き合うスタンス」に関しては、派遣村の運営陣はともかく、集まっている人達はよく分からないのでないかと思います。
お互いに、相手がどういった思考プロセスを辿って発言するのかよくわからないので、適切な対応ができないという事もあると思いますが、ネット言論の排外主義的なものに影響されず、背後にいる何十万、何百万という人達に対してどうすればいいのか?といった視点で活動を続けていって下さればと思います。