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2009年2月1日

 途切れなく続く時間の中にも、山があり谷がある。景気の好不況の節目もある。ただ見えないだけだ。昔の人は、忍び寄る老いに例えてこう言った。「朝起きて夕べに顔は変わらねど、いつの間にやら年はよりけり」

02年2月に始まった戦後最長の景気拡大が後退したのは、07年11月だったと内閣府が分析した。あぁあの時から老いが始まったのかと思うようなもの、後になって考えれば時間の境目も見えることはある

02年2月といえば大河ドラマ「利家とまつ」が始まったころ。北陸でも何となく上昇気流を感じた記憶はある。が、国民には好景気の実感がない「けち」な景気拡大だった。一方、下降開始は07年秋。安倍首相退陣で福田内閣がスタートしたころだ

「いつのまにか」どころか、政治が急速に坂を転げ落ち始めたのが見えた。経済も建築基準法改正などで官製不況と呼ばれる「老化」が進行していた。その挙げ句が今の状況だ

過去を振りかえってもむなしいが、国民に還元されなかった「好景気」とは何だったのか。下降の引き金は何か。その分析はしっかりやっておく必要があろう。


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