Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

世の中には停戦というものがございましてね。ええ、上に書いてあるとおり、戦闘行為を一時やめることでさあ。 なんでも先だって、kotoちゃんがどうしてもって言うんで、あたしも一丁前に停戦てなもんをしたんですがね、何せこっちも滅多にやった事のねえことだ、これがなかなか難しいんだが、他ならぬkotoちゃんの頼みだってんで、ようよう続けている次第でさあ。
まあ、平たく言えば「喧嘩はおやめなさい」ってなことだったもんで、暫くすりゃあ向こうさんにも「あんたもその物騒なもんしまいなせえ」ってなことになるんだろうと思ってたんでごぜえますが、どうもそうでもねえらしい。どんどん斬りかかってくる。危なくっていけねえってことで、こりゃあ降りかかってくる火の粉は払わにゃあならねえってところでございますが、まさかkotoちゃんの顔に泥を塗るわけにもいくめえってことで、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでいるわけですが、いっこうに埒があかねえ。
そのうちなんか黒いもんが「さっさと片づければ暮れまでには落ち着かあ」なんて耳元でささやくんだけれど、一方の耳で「まあ、もう少し待ってくれねえか」なんて奴もいるってんで、ここ一両日はなんとか我慢してしまった刀の柄に手はかけねえと思ってる次第で。ただ、この停戦ってなもんがなくなっちまえばお互い遠慮なんかいらねえ、やっちまえってんで、最後までいっちまうことになりまさあ。こっちだって何も好きこのんでみんなが忘年会だクリスマスだオフ会だと楽しみにしているこの師走に、皆さん方の目の前に血糊だの臓物だのぶちまけるなんてkotoちゃんの顔を潰すような野暮はしたくねえんでございますが、片務的な停戦なんていうとんでもねえ要求を突きつけたら、リヒテンシュタインやモナコのような小国でさえ自衛のために銃をとって立ち上がろうってもんでございやせんか。そこのところ、皆々様にはなにとぞお含み置き願って、平にご容赦願うこともあろうかとお願いに上がった次第でして。へえ。
平和ってなもんを心から愛するあたしとしちゃあ、血を見るような騒ぎは好きじゃねえのですがねえ・・・。
