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【岐阜】

県内初の新生児専門医が誕生 県総合医療センターの山本医師

2009年2月1日

専門医として新生児医療に取り組む山本医師=岐阜市野一色で

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 岐阜県総合医療センター新生児科(岐阜市野一色)の山本裕医師(35)が、日本周産期・新生児医学会の新生児専門医に県内で初めて認定された。産科と小児科の間をつなぐ新しい分野の専門医。「勉強できる環境づくりなど、後進の育成にも取り組みたい」と意気込んでいる。

 新生児医療は約50年前にできた比較的新しい分野。専門医は早産児や病気を抱えた新生児に対応するが、従来は小児科に含まれていた。しかし産科など専門的知識も不可欠で、2007年に同学会による専門医の資格ができた。

 山本医師は、同センターの前身の県立岐阜病院に9年前に着任。中には命を救えなかった難病の新生児もおり、無力感を感じていた。しかし、学会などに参加すると、都市圏の新生児医療のレベルの高さを痛感。迷わず勉強を始めたという。

 資格取得には3年以上の現場経験に加え、学会誌に掲載された論文や面接試験も必要。「ハードルの高い資格」だけに、山本医師は他県の勉強会にも顔を出すなど、勤務の合間をぬって連日深夜まで勉強。昨年10月の試験で63人の合格者に入った。専門医は現在、全国で約140人いるだけという。

 新生児医療をめぐっては、治療基準などが確立されておらず、情報の地域間格差も大きい。専門知識に強い看護師や医師も全国的に不足しており、人材育成が急務だ。

 山本医師は「新生児医療は生と死の両方に触れる場でもある。学校での講演などを通して、命の大切さを感じてもらえる機会も作りたい」と話している。

 (竹田佳彦)

 

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