2009年1月31日 21時51分更新
笠岡市出身の日本画家、小野竹喬とともに大正から昭和にかけて活躍した澤田石民の作品を集めた展示会が笠岡市で開かれています。
澤田石民は、大正時代から昭和の初期にかけて活躍した日本画家で、新しい日本画の可能性を探ろうと笠岡市出身の小野竹喬らが作った日本画家のグループ、「国展」を代表する人物として知られています。
笠岡市で行われている展示会には、石民が描いた風景画や人物画など37点が展示されています。
石民らのグループは、従来の価値観にとらわれない作品作りを目指していて、豚を色鮮やかに描いた作品からは当時の日本画の題材としては描かれてこなかったものをあえて選んだ意気込みが見て取れます。
また、石民が戦地に赴く直前に描かれた作品も展示されていて、このうち岩山の上を1羽の鳥が飛ぶ様子を描いた「松巒」という作品は、太平洋戦争中の重苦しい雰囲気のなかで孤独に活動する自分の姿を重ねて描いたものです。
この展示会は、笠岡市立竹喬美術館で1日まで開かれています。