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【8月7日03時14分更新】
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◎エチゼンクラゲ、中華料理の食材に 金沢の企業が出荷、輸出へ

網に大量に掛かったエチゼンクラゲ。中華料理の食材に活用される=昨年9月、志賀町の富来漁港作業場建設予定地を視察する魏社長(右)と酒井社長(中央)=七尾市鵜浦町
網に大量に掛かったエチゼンクラゲ。中華料理の食材に活用される=昨年9月、志賀町の富来漁港作業場建設予定地を視察する魏社長(右)と酒井社長(中央)=七尾市鵜浦町
 能登各地の定置網に掛かるエチゼンクラゲを中華料理の食材として加工し、七尾市から 全国に出荷する試みが九月にも始まる。同クラゲが中国で高級食材として取引される大型 クラゲと近似しているためで、将来的には本場中国への輸出も見込む。漁業関係者は、日 本海で大量発生し深刻な被害をもたらしている「厄介者」の有効活用に期待を寄せている 。

 エチゼンクラゲの加工は、中華料理店などを運営する豊中物産(金沢市)が計画する。 同社の魏賢任社長は定置網の破損や漁獲減などの被害を与えているエチゼンクラゲが、中 国で高級食材として重宝されているビゼンクラゲと同種であることに着目。知人に紹介さ れた定置網会社・鹿渡島定置(七尾市)を通してクラゲを能登各地から集める。

 計画では、大連市と福建省から技術者三人を招き、七尾市鵜浦町の鹿渡島定置所有地に 作業場を建設する。クラゲはかさと足の部分を切断し、塩とミョウバンに漬け込んだ後、 約一カ月間乾燥し、冷菜やいため物の具材として出荷する。

 今季(十―十二月)は約三十トンの加工を目指し、同社が運営する金沢市内五店舗と、 魏社長がネットワークを持つ国内約百五十店の中華料理店に出荷する。同社などによると 、国内ではこれまでエチゼンクラゲを菓子などに加工する事例はあったが、今回のように 大量に食品化するケースは珍しいという。

 のとじま臨海公園水族館によると、エチゼンクラゲとビゼンクラゲは同じ「根口クラゲ 」で、極めて近い仲間に分類される。コラーゲン、タンパク質ともに豊富で、「駆除する と海底で腐敗し海水汚染の原因ともなっていたエチゼンクラゲの有効活用という点で興味 深い」(展示・海洋動物科)としている。

 魏社長は、エチゼンクラゲがビゼンクラゲと同様の良質な食感が期待できるとした上で 「産廃のように扱われているエチゼンクラゲも役に立つことを知ってほしい」と話してい る。鹿渡島定置の酒井秀信社長も「燃油高騰に苦しむ能登の漁業従事者の一助となってほ しい」と期待を込めた。


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