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「いじめ止められる」 娘自殺の両親が手記出版

2008年12月20日 08:00

「いじめ止められる」 娘自殺の両親が手記出版

寛子さんの自殺から20年間の思いをつづった手記を前に会見する克己さん(右)と寿恵さん=富山市西宮の喫茶店にしのみや

 昭和六十三年十二月、いじめを苦に自殺した岩脇寛子さん=当時(13)、富山市奥田中一年=の両親が十九日、寛子さんの死後二十年の節目に手記を出版した。父の克己さん(68)と母の寿恵さん(65)=同市奥田寿町=は同日、同市西宮の喫茶店にしのみやで記者会見し、「いじめ問題の解決に役立ててほしい」と語った。

 手記の題名は「いじめの記憶〜もうだれもいじめないで」。当時の記録を残すことが重要と考えた両親と支援者が、二年半前から執筆を続けてきた。表紙に「ありがとう、私にやさしくしてくれたみんな。私はこの世が大きらいだったよ」などと記された寛子さんの遺書を掲載。手記は二百六十二ページに及び、寛子さんの自殺の経緯や両親の心境が、切々とつづられている。

 会見で両親は「いじめに気付かず、自殺を止められなかった自分たちや学校関係者の失敗を伝えたかった。同様の悲しい自殺を二度と繰り返してはいけない」と訴えた。

 手記は桂書房から刊行。B5変形判で、二十一日以降に県内の書店に並ぶ予定。価格は二千百円。

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