2009-01-30 いまさらサンクリの情報流出話

今更ですがサンシャインクリエイション43が中止になったことは皆様すでにご存じの通り
ある程度話も煮詰まって、ある程度冷静になったところで雑感。
サンクリエイション運営の行動は比較的素早くとりあえず対応としては十分だと思われます。
情報流出についての考え方というのは人それぞれありますが、どれくらいの不祥事かは知っておいたほうがいいでしょう。
過去に某銀行で発生した情報漏洩事件では当事者は解雇された上にまともな職にも就けず、最後は一家離散という事態を招いたことがありました。
これは当事者の息子が親のPCにWinnyを入れたために起こったことですが、本人に心当たりが無くてもちょっとした弾みで情報漏洩は発生すると
いうことは知っておいて損はないでしょう。
さて問題はもっと別の部分です。
この情報漏洩でコミックマーケット関係者の情報も漏れたんですね。
実はイベントを遣っている人はイベント界隈というのがあって各イベントでボランティアの融通をしているのです。
今回情報漏洩をしてしまった人物も所謂ボランティアの人間であることは間違いありません。
例大祭の時も結局はコミックマーケットの方々にお手伝いしていただいておりますし
紅楼夢ではコミックマーケットの猛者スタッフが列を見事に裁いて混乱を収めています。
ここで注意するべき事はボランティア界隈の人々をどうやって制御するかということです。
ボランティアさんの実力は認めても彼らの手腕がイベントの成否に関わりすぎるのはどうかと思うのですね。
同様に運営側はきちんとイニシアチブを取らないといけない。
そのためにはどう手綱を持つかが問題となるでしょう。
まず必要となるのは彼らの権限をきちんと制限することです。
与える情報を最小限にすること、そしてサンクリ運営も挙げていましたがきちんと契約書を交わすこと。
これくらいはきちんとするべきです。 契約書を交わすことは実は無限責任を避けるためのものです。
つまり多少のトラブルは組織でボランティアを守るという意味の契約書でもあります。
ボランティアだからといって何もかも押しつけないようにしないといけません。
ボランティアさんの中には人の裁き方に長けた方もいます。
彼らから色々と学ぶことは多いと思います。
もちろんそう言った努力は普段からやられているとは思いますがそれをある程度ガイドライン化するのも手かもしれません。
相当の手間がかかりそうではありますが。
はっきり言いまして今後、責任を問いただす動きなどは無益だと考えています。
重要なことは次につなげることであり、中止して有耶無耶にすることだけは避けねばならないでしょう。
情報漏洩は避けねばならないことではありますが、最初に取り上げたとおりふとした弾みで漏洩は起こりえるのです。
そのときどうやって責任を取るのか、責任の所在ではなく範囲を考えて行くべきだと思います。
2009-01-01 C75

明けましておめでとう御座います 今年もよろしくお願いいたします
冬コミが終わりました。
動員数は前年よりもプラスとなり不況を吹っ飛ばす内容とあります。
一応参加しての雑感
主に西館にいたわけですので相当偏っている前提で書きますが
思った以上にやばいです
もちろん統計とかとったわけじゃないのですが、最後までいると気づくのが
中学生がなんと多いことか。
ニコニコ動画の影響なのかどうか、若年化が更に目立つようになりました。
そんな彼らですが午後2時くらいになると一気に減っております。
買い専が増えたというのが実情のようです。
そのせいでしょうか
最後までサークルブースを残している人が減っていました。
その証拠にクロネコヤマトやペリカン便の搬出口が普段なら長蛇の列を作っていたのに今年は
あまりに空いていて殆ど待つことがない。
幾つかのサークルさんに尋ねたのですが頒布部数を減らしているところがちらほら見受けられました。
一方で壁サークルさんでも明暗が分かれている模様。
本当に大丈夫なのかと思ってしまうような有様です。
ZUN氏と黄昏フロンティアがないから、というわけでもなさそうです。
明らかに購買力が減ってのですね。
若年層はお金を沢山持っているわけじゃないですし、お金を持っている層は景気で萎縮し始めている。
だから特定のサークルさんはものすごく売れてなくなるけど、他のサークルさんは酷く残ると。
ジャンルが熟成すると特定のサークルしか売れなくなり新規参入しづらくなるのはよくある話です。
少しづつですが硬化していると見て間違いないでしょう。
さて、東方アニメですがタイトルにきちんと二次創作ってついてましたけど
あれでも叩かれるというのもどうなのでしょう。
ただ、ZUN氏が何故あそこを狙い撃ちしたのかと考えると色々事情はありそうな感じです。
2008-12-17 アマチュアリズム=嫌儲です

同人と金の話をすると必ず出てくるのが嫌儲の話。
他人が金を稼ぐのは許さないが自分が稼ぐのはOKというダブルスタンダードだったりする。
ほら、私はアマチュアリズムが好きだからと言う人がいるんですけどね。
そもそもアマチュアリズムというのは「自分のやったことに報酬を求めない」というスポーツ発祥の考え方なのですね。
アマチュアリズムとは、オリンピック運動の創始者であるピエール・ド・クーベルタンが、その運動の理念として提唱した思想で、「オリンピックの出場者は、スポーツによる金銭的な報酬を受けるべきではない」とする考え方。
アマチュアリズム - Wikipedia
オリンピックのプロパガンダでこのアマチュアリズムが清く美しいなんて喧伝していたものだから
企業活動=汚い アマチュアリズム=綺麗なんてしょうもない認識が広がってしまった。
この考えのまんまでこれまでのエントリを読んで居る人があまりに多くて、
金が絡んでいるのに断固としてアマチュアだと言い張る困った人が凄く多いという現実にくらくらしてしまった。
同人の場合、これが恐ろしく拡大解釈されているわけなんですよ。
お金での報酬の有無が問題の筈なのに、お金の額ではなく利益額で見ている人が多いのが実情なんですよ。
もちろん同人の大半は儲からないのは分かるのですが、儲からない=お目こぼしをしてもらえるという
意味不明の理屈がまかり通っているのも真実なんですね。
で、指摘されると「ほっといてくれ」と言うと、なんで利益をとらないのと言えばそれは嫌儲の思想に反すると
まるで宗教家のように反論されるんです。 しかもその異常性に当人が全く気付いていない。
これは、勢いのあるジャンルかどうかとは関係ないのですよ。
で、金を取っているという社会的責任と儲けていないのに何故責任をとらなきゃいけないのという
不思議な議論が起こっているわけですよ。
すでに有我悟さんが指摘しているのですが、
大手だろうが弱小だろうが絶対に変わらない。ただし、金銭の多寡によって責任の大きさは変動する。それだけの話。
2008-12-13 - 真理の砂漠〜いちぎょうばかにっき
本来表現活動には責任を伴う、金額が発生すると責任の多寡が起こる。
ここまではいいのですが一定規模を超えると個人でどうこうできなくなるのですよ。
アマチュアリズムの権化と言えるオリンピックだってスポンサーやら金の問題がつきまとうでしょ。
安全に物事運営するのにもはや組織とか金の力って避けがたいのですよ。
実はアマチュアリズムの思想なんてとっくに瓦解しているのですよ。
スポーツでも同人でもみんな同様に金の問題が避けがたい。
だからその事実を認めた上で色々やらないとまずいですよってこと。
確かに金になるのはその中の上澄みだけど、その上澄みが大半の市場規模を構成するのはどこの業界でも同じなんです。
だからといって見えない存在が見過ごされていいわけじゃないんですよね。
気付かないと市場原理とハイエナに押しつぶされる結末が待っているのですが
気付く頃には世代が変わっているのがなんともかんともですね。
2008-12-16 同人の商業化だって?

なんか最近大まじめに議論されているけど、ダイソーだってやってるし
ユーティリティの世界では個人制作のソフトが一般流通に載る事なんて普通に起こっている。
なにか特別なものを扱っていると思って上手くいく上手くいかないと議論する自体がすでにナンセンス。
もうすでにあるビジネスモデルにたいそうな名前をつけて出資者を募るのは良くある話。
最近だとWeb2.0なんかそうだよね。
2008-12-14 嫌儲って思考停止してどうするの

ちょっと砕けた感じで書いてみる
有村悠氏http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20081205/1228472025で嫌儲について書いているよ。
こちとら責任範囲が許す限りの市場制限について書いていたのに嫌儲と一緒にしてしまってるよ。
はっきり言うと、私は同人で儲けることなんて否定する気なんてないよ。
金かかるわ上手くいくとは限らない同人で利益を確保するやりかたをしないと駄目って話だったのに
カネ掛からなくするようにって話すると飛躍して無料にするべきだって言い出す。
ただ同人を語る上で重要なことなんだけど「お目こぼし」という概念があるのさ。
お目こぼししてもらえる規模かどうかを決めるのはやっぱり金銭なわけで。
利益ではなくどれだけの売上高かでみんな判断されてしまうわけよ。
だから作り手はそんなに利益無いよって言ったって売上高でみんな判断されるのだから
色々つつかれるのは当たり前なんだよね。
責任範囲もそう。無料でも有料でも責任は伴うけど、有料になった途端に求められる
社会的な責任範囲は一気に増えることは世間の常識なんだよね。
だから儲けるのは別にかまわないと思うけど作り手は自衛しないとやばいよと。
自分に火の粉が降りかかる前にどうやって責任範囲を明確にしてこれ以上はやらないってやらないと
世間に責任範囲を広げられて二進も三進もいかなくなってしまう。
責任の範囲を狭くしたければ無料でやるしかない。そうすればお目こぼしされる率は増えるからね。
危機管理をしないと痛い目に遭うよってことで今日はおしまい。
追記:
そうこう書いていたらはてブで「世間」は勝手に作った幻影って書かれてしまったよ。
あのね、利権団体(または個人)にとってその存在が驚異になるかどうかは基本、金で判断されるの。
儲かるファクターなら無視されるし、被害が及ぶファクターだと判断されれば全力でつぶすのが現実なの。
潰れされた例としてマリグナントバリエーションのDVDが販売停止になったけど、どうしてお目こぼししてもらえなくなったのか
考えたことはないのかな。
金の存在は怖いよ。ピュアだと思っていた創作活動は思った以上にドロドロしているし、同人にピュアな幻影を求めていたら
それこそナンセンスな話だよ。
現に、「嫌」嫌儲を標榜していながら、自分は儲からないとわざわざ表明しているのは何故?
これこそ無自覚な「嫌儲」じゃないかな。
自分のやりたいように遣らせてくれと思うのなら、それこそ儲けていても儲けていなくてもそれは多様性の一部として
認めるべきじゃないのかな。
実は無自覚な嫌儲に立脚した論を書いているパラドックスはhttp://tail.s68.xrea.com/blog/2006/06/post_20.htmlを読めばわかるかと。
あそこのサークルは200部しか刷ってなかったらしいです。
この200部しかという部分が世間の許容範囲と同人にいる人の許容範囲の差のように思えます。
仮に一冊500円換算で10万円分と考えると
ディズニーばりのキャラ戦略をとっている任天堂には看過できない範囲だったと思われます。
本来そんま決まり事はない
金取ろうと取るまいと責任は発生します。
ただ、金取ると言い訳がしにくくなります。