溢れる映画偏愛、喰らえ!

65パーセントは映画、
15パーセントは格闘技、
残り20パーセントは、極エロと自分自身について。
偉そうでなく、かといって卑下するわけでもなく。
なにごとも、ユーモアを忘れずに語っていきたい。
ユーモアを忘れたら・・・それはちょっとオニイサン、
あまりに寂しい世の中じゃありませんか。

2004年12月27日

10年前の『TVタックル』を、出来るだけ再現(前)

録画しておいたビデオを繰り返して鑑賞するというのは、基本的に映画だけなのですが・・・
ただ1本だけ、繰り返して見続けているテレビ番組のビデオがあります。

現在もテレビ朝日で放送されている、ビートたけしの『TVタックル』。

自分が高校生の頃ですから・・・
もう、10年以上も前のものです。

テーマは、
「映画監督の逆襲―映画批評家を批評する」
で、既に70回近く、見ているのですが。

全然飽きることがないし、ここで語られているテーマは、現在にも通ずると思うのですね。

パネリストは、5人の映画監督―大島渚、伊藤俊也、崔洋一、井筒和幸、そして北野武。
映画批評家を代表して、(亡くなられた)田山力哉さん。
(自分は、田山さんの知り合いでもないのに、通夜と葬式に参列したほど、尊敬していました)

番組はまず、VTRによる、『3−4X10月』(武の監督2作目)批評を展開。

浜村淳 「例えばヤンチャ坊主に、一冊の白いノートを渡して、ここに好きな絵を描いてもいいんだよと言いましたら、こんな絵が出来上がりました、というのが、武監督の新作映画の印象です」

水野晴郎 「人間の可能性の表現の1つが、暴力にあるんだと彼は言っているのですね」

小森和子 「武らしいという意味では面白かったけれど、映画にはやっぱり、色気が欲しいですね」

品田雄吉 「ビートたけしが出てくると、俄然、他を圧倒しちゃうみたいなところがあって、そうすると、北野武監督は、ビートたけし主演で、当分は映画を作らなければいけない」

次に田山さんが、たけしを前にして、本作を批判。

「僕は武さんが、『稲村ジェーン』のナントカいう監督より才能があるというのを前提として話しているわけですけれどね。
大体ね、今度の作品なんて、何ていうのですかあのタイトルは。こういうタイトルを付けること自体が、お客さんをなめているのです。
この作品は、武さん独特の毒が完全に消滅しています。テレビのバラエティ番組の悪フザケをやっていればいいという武さんの思い上がりも鼻につきますね。
それを、アホな批評家が、歯の浮く言葉で褒め上げる」

たけし 「それはだから、田山さんが歳だということと、あんまり頭が良くないってことと」
(場内爆笑)

大島 「それとね、田山さんの言っていることの駄目なところはね、いかにも自分の言いたいことを言っているようだけれど、最後にはね、お客に悪いとか、1500円払う価値はないとかね、全部、他に責任を持っていくわけね。最後にね、お客さんに悪いと言った時点でね、あなたは大衆に寄りかかっているんだ!」
田山 「寄りかかってなんかないですよ。映画は、テレビと違うのです。だから最後の一文は、付け加える必要がある」

たけし 「おもちゃ箱がひっくり返されたというような批評が多いんだけれど、オイラは全部、考えているんだけれどね」
大島 「武さんが、考えておもちゃ箱をひっくり返したように見せているのに、考えずにひっくり返していると思っているんだよね」
井筒 「おもちゃ箱をね、ひっくり返したというような表現しか知らないんですよ、批評家が。僕らの場合も一緒ですね。偶然が幸いしたとか。こっちは偶然を作っているのにね」

大島監督のパワフルさ、田山さんの饒舌、井筒さんの若々しさ、まだ映画監督と呼ばれることに照れている武などなど、テーマだけでなく、様々な事柄が、いちいち面白い。

この面白さが文面でどの程度伝わるかは分かりませんが・・・
明日も、再現を続けてみましょう♪

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