研究所的谷回りトレーニング…第2回
研究所的 谷回りトレーニングの第二回です。
前回記事の「宿題」はいかがでしたでしょうか。
頭の中でやってみるだけではいけません。必ず、実際にカラダを動かしてみることが重要。 様々な事が解ってくるものです。
さて、前回の宿題とは…
上図の様なミニ・セットの中を、スキー滑走するイメージで歩いてみるというものでした。
ここを歩いてみることで、その人の「滑走イメージ」を知ることが出来ます。 雪上レッスンの時に使ってみると、技術レベルに応じていくつかのパターンがあることに気づきます。
例えば…
「上手くカービングターンが出来ない」とか「どうしても板がズレる」、「スピードが出ると怖い」とおっしゃる方のほとんどは上図の様に、目印まで直線的に歩いた後、急に方向を変えて次の目印まで直線的に進みます。
そして、そういう方は 実際にスキーで滑走する時も、急激に板をズラして方向を変える「ジグザグ運転」になるのです。
つまり、ミニ・セットの中を歩いた後に、残った軌跡は
「その人のターンイメージ(滑走ラインとほぼ同一)をあらわしている」 のです。
また、中には…
大きく切れ上がり、上からまいてポール(目印)を通過しようとする方もいます。
山回り局面を大きくとって切れ上がり、ターンを切り換えた後は急に向きを変えます。
どちらも
「フォールラインに絡む」や「落下する」ことが上手く出来ないターンイメージです。
(…これをお読みの方の中には、コンパクトなエッヂングを目指していれば「よくあるパターン1」の様なイメージになるのでは?? とお考えの方もいらっしゃるでしょう。そういう方に質問…コンパクトなエッヂングを終わらせた後、次のターンまで、スキー板は自分の体に対して、谷側と山側どちらにあるイメージですか? …ロスの少ないコンパクトなエッヂングをするには自分の体よりもスキーを山側に置いた状態で、どんどん脛の内傾を深めていかなければなりません。板を山側に置くイメージが無ければ(そして更にどんどん内傾していく…)、実はコンパクトかつロスの少ないエッヂングにはつながらないのです。)
カービングターンをしっかり身につけている方は
上図の様な、谷回り局面をしっかりとったラインで歩いたハズです。(図は多少、大げさに深回りしていますが…)
逆に、谷回り局面を上手くとれない方は、ミニ・セットの中を
イメージを作りながら歩いてみることをおススメします。 特に、ターンを切り換えた後。「自分のカラダより上側(山側)に足(スキー板)がある時間帯」をしっかり意識することが大切です。
(くどい様ですが、頭の中でやっているだけではダメ。実際にカラダを動かし、目に見える景色を脳にインプットしてやる必要があります。)
このトレーニングは驚くほど効果があります。
特にカービングターンに悩んでいる方のレッスンなどでは、このイメージトレーニングの後、劇的に滑りが変わってしまうことが良くあります。 大回転のセットの中を歩いてみたり、スノーボードのレッスンの時に使ってみたり…と応用も利きます。スキーやボードはスピードが速いスポーツなので、滑走しながら新しい技術を獲得していくよりも、こうした「超低速」を使って、イメージから変えていく方法は非常に有効であると考えます。
雪上でなくとも実施可能なので、シーズン前のトレーニングにでも いかがでしょう。
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所長こんにちは。雪上で試せないのが残念ですが、早速雪をかぶった山々を見ながらやってみます。
2006/10/23(月) 午後 3:08 [ イゾらー父 ]
父上、ぜひ一度試してみてください。自分(あの人)ってこんなイメージで滑ってたんだ!! という「跡」がくっきり残ります。感想も聞かせてくださいね。
2006/10/26(木) 午前 7:57
訪問ありがとうございます。その通りですね。谷回りで蛇角を決めなければ後半落とされますから大事な事です。実際はポールセットや斜度で変わりますが中と下の組み合わせが理想的ですね。。
2006/10/28(土) 午前 9:16
ポンちゃんさま、コメントありがとうございます。確かに現時点では図の中と下の組み合わせが現実的だと思います。…が、しかし。研究所では更にその先をいこうとしております。ぜひポンちゃんのお力もお貸しくださいませ(^^)
2006/10/28(土) 午後 0:39
できる範囲で(笑)私が感じる1点として「内脚」なんですよ! これはジュニアの時点でクセをつけさせないとただのガニマタ不格好になるだけ!ラインの取り方も理論通りにするためにもどの時点で股関節を上手く使うかで理想のラインになると考えてます!とにかくマテリアルの進化とともに動きが間違った方向に行ってる事が気になってしかたありません!私が15年前の板で滑ってもまだまだ勝てない人がいるのはなぜでしょう?
2006/10/28(土) 午後 0:47
gods_hand_repairさんの所から、馳せ参じました。宜しくお願いします。
2006/10/30(月) 午後 2:05
syotakumiさん、ご訪問ありがとうございます。お気づきの点、ご質問、ご感想など気軽に書き込みしていってください。そんなやりとりの中にも近未来のヒントが隠れていたりするので、所長も助かるのです。
2006/10/31(火) 午前 8:31
有難うございます。私自身は全くのど素人でして、、、見当違いの質問等あるかと思いますが宜しくお願いいたします。所長のご出身は菅平ですか?上田も合併しましたので、地元のよしみということで、、、。
2006/10/31(火) 午前 8:51
ポン太さん、内脚…確かにカービングスキー時代になってから重要度が増しました。しかしカービングスキーになって内傾する角度が深くなった”から”結果的に内脚のタタミ方が重要になっただけと所長は思います。内脚始動や内脚加重が必須!!といった風潮が「ガニマタ不格好」を生んでいるように思えてなりません。いかがですか?
2006/10/31(火) 午前 8:56
syotakumiさん、御遠慮なさらず何なりと。ちなみに所長は上田生まれでございます。
2006/10/31(火) 午前 9:00
所長まったくその通りです!!内傾角を先行する書物がこの現象を生みましたね。指導の際の「内傾角・外向」まったくもって理解不能でした。斜度と速度に比例した内傾角これはマテリアルが変わっても変わらないと書庫でも書きました!競技はすべて動作は最小限と言う意味でマキシマムから山周りの補助動作として最短の山周りとクロスオーバーの安定した足場を確保する為の余裕として私は常に考えています。
2006/10/31(火) 午後 1:21
私の「内脚」先行動作の意味合いはカービングに変わる前のマテリアルから共通していることで交互操作や2アクションでも同じ事で仮想軸が後方に意識した際に起こりうる内脚のトップ上がりと2アクションでもっとも危険な腰回りをロックさせ外力に耐えうる軸の補助として「リカバリー」要素も含めた先行補助動作と私は思っておます。実際にトンバは不調時の内脚はまったくもって固くなり状態が不安定でコースアウトが多いです。
2006/10/31(火) 午後 1:33
トンバのような強靭な肉体でもその現象が起こるなら日本人は簡単に起きますね!木村さんにしても後半で滑りを変えた事もカービングスキーへ変わりこの様なミス多くなったからだと思います。人間の骨格理論上、力むと中心へ収縮してしまうので外向過多か腰回りどちらかが発生します。それを先行して最小限にする為に、膝を切り上がり方向へ先行させ真上からスキーを踏む=適度な外向が生まれ=クロスオーバでも仮想軸が後方になっても追従できるのではないか?と考えます。
2006/10/31(火) 午後 1:43
私の書庫の雑談的にも書きましたが、トンバのブーツの仕掛けを見ても底に鉄板を埋め込み、内サイドは硬質グラスファイバーなど多様している事で彼も同じような感覚を持ちマテリアルの剛性面をアップしたのだと思います。彼特有の切り替え時の異常な膝の開きと尻落ちそしてマキシマムには真下に足が入ってくるクローズ気味のスタンスなど私はそこを重点的に見ておりそう感じて真似てみました。個人の五感でも捉え方は変わると思いますが所長はどう思われますか?
2006/10/31(火) 午後 1:52
ポン太さん、なかなか難しい表現をお使いになりますな(笑)所長の体内言語に上手く翻訳できないと正しくは判断できないのですが…恐らく今、所長の頭の中にあるコトと同じ様なことをお考えの様ですね。所長はターン切り替え後、足首の低屈&外反を使ってターン始動。ドリルを捻り込む様に板を前方に押し出しています(結果として仮想軸は後ろに傾く)。内脚先行を意識していた時期よりミスが減りました。この方法はテレマークカービングと恐ろしいほど共通点があります。
2006/10/31(火) 午後 3:52
…ということで、マテリアルに関しても「踵が上がるアルペンビンディング」を予測しています。現在、その記事はほとんど削除してしまいましたが、実際に滑走可能な試作品もあります。時代は繰り返す…アルペンテクニックが、テレマークに回帰していく可能性アリです。
2006/10/31(火) 午後 3:56
理系なので文章力は苦手です^^;「踵が上がるアルペンビンディング」で一致しました!自衛隊スキーで幼少から滑っていた感覚が基盤なので、テレマークと共通ですね!トップではなくセンターからテールにひねり込む感覚ですよね!私の言う内脚とはその外反の運動を補助させるという解釈です。その絞り込み動作が身体の中心に骨格が集まるので動きがロックしてしまうので外反に同調させたリカバリー補助です。
2006/10/31(火) 午後 6:48
ねじり込む動作を補助する意味合いでトンバのブーツはネジレに対し剛性をアップさせたのでは無いか?という意味です!私の場合内脚で狙いを定めスキーを捻りながら蹴り出してそれに乗る!みたいなちょっと自分にしか通じないような感覚でした。そのネジレ動作が膝の状態やカービングスキーにマッチしなくなり膝に負担がかかり過ぎたのかな?と思います。 軽量な私の場合、直線的に行く事でどうしても斜面変化などでのリカバリーの先行と捉えて頂ければ助かります。
2006/10/31(火) 午後 7:06
ポン太さん、なるほど解りました。同じ様なコトを考えている人がいて嬉しいですね(^^) しかし最近、トップ選手の滑りを見ていると(こうした理論に)現実に使われるテクニックが追いついてきた気がしております。ですから研究所的には、さらにその先をいこうと模索しております。ポン太さんには何かアイディアあります??(^^)
2006/11/1(水) 午前 8:21
私も3シーズン近くブランクがあるので今シーズンから復帰する準備でストレッチ程度始めて居ます。(笑)斉木さんが「俺より重傷」と言うくらいの膝なので(^^;)でもこの理論通りには滑れてはいないと思いますが、海外のレースに参戦した中でそこそこの結果は出た気はします。所長の言う谷まわりと旗門通過直後の動作で何かあるのではないかと?考えてはいます・・スピードや斜面などの状況によっても変わるので難し所ですが、、模索してみます。
2006/11/1(水) 午前 11:34
ポン太さん、同感です。直近はそのあたりの変化かと思っています。更にその先…を狙っています。今シーズンあたり見つかると良いのですが。
2006/11/1(水) 午後 0:32