日本たばこ産業(JT)は、冷凍食品の「JT」ブランドを業務用の一部を除いて廃止し、2月中に子会社で冷食大手の「加ト吉」にブランドを統一することを明らかにした。08年1月の中国製冷凍ギョーザ中毒事件の影響でJTブランドの冷食は販売不振が続いており、ブランドの維持は難しいと判断。家庭用は加ト吉に改め、信頼の回復を急ぐ。
JTは08年1月、傘下の冷食販売会社、ジェイティフーズが輸入販売した冷凍ギョーザによる中毒事件が発覚。家庭用冷食の売り上げは一時、前年水準の9割減まで落ち込んだ。その後も中国製の食品を巡る事件が相次いで低迷は続き、08年4~9月の家庭用冷食の売り上げも前年同期比6割減だった。
JTは同4月に加ト吉を子会社化し、ジェイティフーズを加ト吉傘下に移管して食品の安全対策を強化するなど事業の立て直しを進めている。しかし、食品や流通業界には「JTブランドでは売り上げは伸びない」(大手メーカー幹部)と厳しい声が根強く、冷食に強い加ト吉ブランドに統一することにした。このため、JTブランドの家庭用冷食商品は近く店頭から消える見通しだ。【森禎行】
毎日新聞 2009年1月31日 19時55分