2009年1月の日記

2009.01.01.
あけまし時の不定期連載。
 理解できていると思っていなかったことが、実は身体の中で生きていたと、悟る。
 察すると同時、跳躍した。身をかわす程度の、短い動作だが。跳び去った背後で、なにかが着地する音が聞こえた。
 身を休めるため、地面に空いた窪地にいた――そこから抜け出そうというところだった。当然、周囲はちょっとした崖か、丘のようになっている。誰かがその上から飛び降りてきたのだ。
 こいつは剣を抜きつつ、振り返った。
 そこには男がふたり、同様に剣を携え、こちらを見返している。ひとりかと思ったがふたりだった。同時に飛び降りたのだろう。指揮された動きだ。
 騎士であることは、推測するまでもなかった。装備も服も、王立騎士隊のものだ。金髪碧眼、いかにも騎士らしい、端正な顔立ちの若い男たちだった。
 無駄口はない。一方が、切っ先を突き出してくる。
 反射的にこいつは剣を跳ね上げ、攻撃を弾いた。防がれることをそいつらは予想していただろうか?――それは恐らく、自分のことを何者かと思っているかによるだろう。こいつはいくつかの想像をした。一番あり得そうなのは、魔術士と思われている可能性だ。その次にあるのは、魔術士の密偵か。
(難民だとは――)
 恐らくそれはない。自分は、まずキムラック人には見えないはずだ。そいつらが誰何もせず、最も素速く始末しようとしてきたことからも分かる。
 最初に斬り掛かってきた相手と、その後も数度、刀身を絡ませた。動きにはなんとかついていける。問題は、相手がふたりだということだ。いや……
(それだけのわけないわよね)


2009.01.02.
さっきから猫が自分の髭にくっついた糸くずにひたすらじゃれていて、セルフサービスな感じでオモシロです。時の不定期連載。
 こいつが気づくのと同時、また背後で物音が響いた。
 今度は振り返れないが、先ほどと同じ音だ。恐らくさらにひとりかふたり、騎士が飛び降りてきたのだろう。
 背後から為す術もなく殺される――その恐怖感を背負いながら、騎士の攻撃を防ぎ続ける。既にいくつか手元が狂い、二の腕と肩に浅く、敵の剣を受けていた。
(どうすればいい……?)
 考える時間は残されていない。
 選択肢もそう多くはない。まずは……
 相手の斬り込みに合わせて、鞄を持ち上げた。突き込まれた刃が、中に入っているなにか――不愉快な携行食でもなんでもいいが――に刺さり、引っかかることを祈る。だがどちらにせよ結果を見とどけてもいられなかった。すぐさま背後に向き直る。案の定ひとりの騎士が、同様に斬り掛かってきている。
 こいつは片手で剣を振り上げると、相手の刃を受け流した。金属が擦れて火花が散る。白い光に瞬時、目が眩むのを感じた。
 後ろ手に鞄を手放す。放した手も合わせて、剣を支えた。しっかりと掴んだ柄にかかってくる、敵の武器の重さが次第にすり抜けていく。それが完全に消えてなくなるより先に、決断しなければならない。
(分かったわよ、まったくもう――)
 眼前に迫る刃にも、背後の凶器にも、その持ち主たちにも、そして自分に対しても、心の底からうんざりして、叫びを発した。
 斬り返す。


2009.01.03.
年が明けたのでヘルボーイ気分になっている時の不定期連載。
 水平に剣を構えて、振り切った。
 刃は騎士の胸の正面を薙いだ。まだ力が足りなかった。浅い。深手には至らないが、一撃を受け流されてもともとバランスを崩しかけていた騎士は、さらなる衝撃につまずいて倒れ込んだ。
 終わりではない。
 先ほどの騎士ふたりと、改めて対峙する。ひとりはこいつの鞄から剣を引き抜き、もうひとりも戦列に加わろうと前進した。
(勝ち目は薄い)
 逃げ切れる見込みはもっと薄い。
 この連中は恐らく、以前にずっと後をつけてきていた追っ手だ――と、こいつは気づいた。追跡を続けていたのだ。
(どうする?)
 すぐにも行動しなければ、今ようやく作った隙すらも失ってしまう。
 幸い、そいつらは銃を装備していない。
 銃声が鳴り響いた。
「……!?」
 こいつは、すっかり混乱して瞬きした。
 銃声が二度、そして眼前の騎士が同時に、重なり合うようにして倒れるのが見えた。
 さらにもう一度。その最後の銃声にだけは、こいつは反応して身を竦ませた。なにが起こったのか、ようやく分かってきていた。


2009.01.04.
そういえばチェ気分でもあるんだけど、どうしようかなー時の不定期連載。
 恐る恐る、ゆっくり見やると、倒れていた騎士が動きを止めている。
 三人とも、どこに傷口が開いたのかはよく分からなかった。ただ即死していた。
 見上げると、そいつら騎士たちが飛び降りてきた高所に、黒い人影が立っていた。その手には銃がある。小型拳銃が硝煙をたなびかせていた。
「どうやら引き離せたのではなく、少数の隠密行動に切り換えていたようなんでな」
 そいつは淡々とそう言って、ヘイルストームをポケットに入れた。返すつもりはないらしい。
「本当は、お前が寝ているうちにすべて終わっている予定だったが」
 呆然と、こいつはそいつ、そして死体みっつを見回した。吐き気どころかショックもない。わけが分からず空虚な脳に、なにか意味のある言葉が湧き出るのを待つだけだった。
 ようやく浮かんだものを口にする。
「……わたしを囮に?」
「こっちの役割をしたかったか?」
「せめて説明してから――」
「共謀したかったか?」
 と、そいつは崖から降りてきた。
 騎士たちに対してはなんの思いもないようで、ことさらに注意も払わず、無視するでもない。死体が銃を持っているかどうか、それだけ確認したようだ。
「鞄を拾え。先に進む」
 そう言って、そいつは死体を踏み越えた。


2009.01.05.
花園神社で、だるまみくじを引いてきました。

結果は末吉。果てしなく普通でした。まあそれはいいんですが。
だるまが妙に真剣な顔してるので机の横に置いておきました。時の不定期連載。
 その夜、そいつは脈絡なく言い出した。
「取引をしよう」
 なんのことか分からず、こいつはとりあえず相手の顔を見つめた。
 繰り返される侘びしい休憩、今回も特に変わりはない。
 月の形すら昨日と変わっていないように思える――それは月の明かりを避けて物陰に潜んでいるからだが。
 警戒というよりただ意味を確かめるために、こいつは問い質そうとした。
「それは――」
 そいつは、それをすぐ制止した。
「違う取引だ。俺はお前をアーバンラマまで連れて行ってやる。だがそこで、俺の邪魔はするな」
「……すごく矛盾した取引に聞こえるけど」
「そうか?」
 そいつはとぼけたような言い様をする。素振りというより、他の有り様がないのかもしれないが。
 なんでこんなことを反論しているのか、それこそとんちんかんな思いに駆られて、こいつはうめいた。
「だって本末転倒じゃない。それならそもそも連れて行かなければ――」
 言いかけて理解する。
 そいつは、案内なしでもこいつがアーバンラマまで辿り着くと判断したのだ。
「どうして?」
 訊ねる。


2009.01.06.
平日になってようやく喫茶店に行っても嫌な顔されなくなってホッとしてます時の不定期連載。
 かなり唐突な問いかけだったにもかかわらず、その殺し屋は心でも読んだように答えてきた。
「俺が姿を消しても、先に進むことを選んだ」
(からかってるの?)
 寝不足も手伝って苛立ちを感じるが、まずは気を静めて返答を考える。
「答えは……」
 目を閉じ、そしてまた開いても、浮かんだ返事は変わらなかった。
「ノーよ。わたしはあなたに協力を頼まないで、あなたを利用した上、あなたの目論見を邪魔する」
「理由を聞いても構わないか?」
 と、そいつ。意外ではなかったらしい。
 気の利いた答えも思いつかず、こいつは嘆息した。
「直感的に」
「単に俺が嫌いだからということか」
「多分、そうね」
 多少違う気もするが、多少程度の違いはどうでもいいところなのだろう。それに、実際――本当にほとんど違わないようにも思う。
「それが、俺とあいつの違いか?」
「え?」
「聖域で……」
 そいつは思い出すようにゆっくりと語り出した。
「聖域に与していた殺し屋が、こう言った。俺に殺されることはまったく恐れないと。お前の態度を見ていると、それを思い出す。そして」
 さらに付け加える。
「こうも言っていた。自分を敗北させるのは、俺と同質にして正逆の存在だけだ、と」


2009.01.07.
というわけで、またしばらく小休止です。時の不定期連載。
「その人は……?」
 思い出したのはあいつのことだったが、違う人物の話だというのは分かっていた。そいつの話しぶりから、その人物がどういった結末に至ったかも想像はつく。そいつはそれを口にした。
「あいつが、奴を殺したらしい」
「…………」
「キムラックでも、奴は、死の教師をひとり殺害している」
 そいつはそう言って、肩を竦める動作をした。
「奴が俺と違うというのは、理解しかねる。まさか人数の差ではないだろう」
 皮肉ではなく、本当にただ分からないという口調だ。
(そんなことは……)
 こいつは、声に出さずつぶやいた。分かるわけがないし、言えるはずもない。
 実際に、違いがあるのかどうか――本当にほとんど違わないことだって、やはりあるのだろうから。
「一年間ずっと、どうしてあの人がわたしたちを置いてひとりで行ったか、考えてた」
 つぶやくと、そいつがわずかに顔をしかめるのが見えた。失望の色だ。そいつは、話が逸れたと感じたのだろう。
 だがこいつは構わずに続けた。
「事情は分かってる。あの人は反逆罪に問われてたし、わたしたちを逃亡に付き合わせるわけはないわよね。でも、それがなくてもひとりで行っただろうって思う」
 あの日の情景を思い出して、言葉が途切れる。
 すべてが終わった日でもあり、違うものが始まった日でもある。眠っているディープ・ドラゴンの毛に沿って指を動かし、こいつは続けた。
「変わってしまった自分は、わたしたちといっしょにいられないって、あいつは思ってる。わたしには――そのことだけは、あいつの間違いだって言える。だって、わたしだって変わるもの」
 もはや誰と話していたかも、一瞬、忘れかけていた。
 声にも力が入りすぎていたかもしれない。少々ばつが悪くなって、そいつを見やる。だがそいつもまた話など忘れているように、ぼんやりと遠くを見つめていた。
 そいつがあいつのことを考えているのは、想像できた。


2009.01.08.
それでまあ、ヘルボーイ気分だったわけです。
アニメイテッドも買いましたし。
そしたらもう、全然関係ないTV番組でも遭遇しちゃうんですよね。

それ俺も持ってるよアダム!

そんなこんなで変に盛り上がってます。
ギレルモ・デル・トロって名前が可愛いですよね。トロって。

2009.01.09.
だからどうしたっていう話なんですが。

怖い……んですよね。なんか。

2009.01.10.
さて、今年も10日が経とうとしているようです。
10日も経つとさすがにもう新年じゃないんですね。賞味期限短すぎです。
不定期連載のほうですが、みなさんからいただいた御意見なども参考に、各方面と調整中というところです。
まだ実現をお約束できる段階でもないですし、なるとしてもどんな形なのか分からないんですが、進展があればご報告したいと思っています。
通常お仕事のほうも、ちょっと今、情報を出して良いのかどうか分からないので、待機中。
少しずつ公表していければという感じです。
……ってこれ、なんの情報にもなってないな。すみません。
ともあれ遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたしますー。

2009.01.11.
予想はしていた。予想はしてましたが。
年末年始で増加は避けられないにしても度の過ぎた結果が出たわけですよ。重量が。グラビトンが。大鉄人が。
やっぱ気をつけてないと増えるなー。
そんなわけで修正作業に入らないとなりません。削れ!削れ!もげろ!

2009.01.12.
今日体重計に乗ってみたら3kg減ってました。
……マジでなんかもげた?
まあどうしたところでこんな減るわけはないので、昨日はなんか量り間違えてたんでしょうか。
わたしの減量は単純で、1日の摂取カロリーを1000kcal以下に抑えるってだけです。
基礎代謝が1500kcalくらいなので当たり前ですがそりゃ減るはずです。
減らなかった場合は、わたしの体内で未知の現象が起こってるってことになります。
減らないと困るけど、もしそうなったらそれはそれで面白いかな、なんてことも思います。

2009.01.13.

物事には順序というものがあるので、チェ気分のほうから満たされることになりました。
こんな感じで、すげー端の席だったんで首が痛いです。
そういえばこれもベニチオ・デル・トロじゃないですか。トロって。もう。

2009.01.14.
ふと思ったんですけど。

シェフって良い面構えな人が多い気がしません?
店を探していたはずなのに、いつの間にか良い顔探しになってることがわりとあります。

2009.01.15.
作れないのは分かってるくせに、つい勢いでプラモデル買っちゃう奴っていますよね。
はい。わたしはここにいます。

さー、どうしたものか。
色とか何色くらいいるのかな。
こういうのって小学生以来な気がしますが、わたしのその頃っていうのはまさにプラモデルブームでした。
ブームのホビーといえば漫画です。インベーダーゲームだろうとチョロQだろうと人類の存亡をかけるレベルで戦います。
当然、プラモ漫画なんていうものもたくさんあったはずです。プラモ狂四郎とかは有名ですよね。
たくさんあったからには、かなりわけ分からないものもありました。
タイトルは思い出せないんですが妙に印象に残っているやつがあります。
一息で説明すると、プラモデルに憑依する能力を持った小学生たちが、超時空要塞マクロスのプラモに乗り込み、サイコキネシスその他の超能力を使って悪の超能力者と戦うとか、そんな話でした。すげー遠回りな気がしないでもないですが、とにかく盛りだくさんです。
記憶も曖昧ですが、悪の超能力者はプラモ屋さんの息子とかだった気がします。
当時、少年たちの夢だったんでしょうね、家がプラモ屋さんっていうのは。超能力なんかよりも、それが凄いことだったんでしょう。きっと。
おまけでこれも買っちゃいました。これ、昔もありましたよね?


2009.01.16.
そういや昨日の話で、子供の頃『ザ・ウルトラマン』を執拗に愛読してたなー、わたし。と思い出しました。
枕元に置いて寝てた記憶があります。
最近また目にする機会があったんですが、今見てみたら凄ぇ内容でした。時の不定期連載。
「これで何度目になるかしらね」
 ここしばらくは使うことも少なくなっていた例の地下会議室で、そいつが開口一番に切り出してきたのは、そんな言葉だった。
 もちろん言う通り、初めて聞く話ではない――難しげなそいつの表情、口調、苛ついて机を叩く指先、そして他に同席している顔ぶれで、なんの用かはすぐ見当がついた。こいつはちらと、そいつの横に座っているそいつとそいつを見やった。ふたりは先に話を聞いているらしい。そんな面持ちだ。
「殺し屋の噂よ」
 告げてくるそいつに、こいつはうなずいた。
「賞金稼ぎじゃなくて?」
「おんなじことでしょ」
「まあな」
 天井を見上げる。
 真剣味が足りないとでも感じたのだろうか。そいつの口調が厳しくなった。
「『サンクタム』よ。標的はあなた」
 こちらがまだ無言でいると、それにもまた苛立ったのか、言わずもがなのことを付け足してくる。
「ここ半年、何度も聞いた名前だけど、ついに――って言うべきなのしら――近郊で噂が出たの」
「了解した。対処する」
 こいつはそう告げて、退出しようとした。
 そのまま話を終わらせてしまいたかったのだが――そう甘くもなかったようだ。
 追いかけるようにして、そいつが言ってきた。
「警備を強化するわ」
 出口の手前で立ち止まる。
 ちょうど背中を向けていることに感謝して、苦笑を噛み潰してから、表情をもどす。振り返ると、神妙に真面目くさったそいつがこちらを睨みつけていた。
「強化って?」
 訊ねると、そいつは話を続けた。
「増員して、シフトを――」
「やめておけ」
「どうして?」
 制止に抗議するそいつに、こいつはしばし間を置いた。説得力を持った言い訳を考える必要がある。


2009.01.17.
今回短いんで全3回なんですよね。なので明日までです。時の不定期連載。
「賊の目的が開拓計画の阻止ならともかく、俺個人だった時が問題だ。市民、開拓団、どちらかに被害が出たら言い訳が立たない。今、なにより守らないとならないのは士気だ」
「だが、現実問題として」
 と、そいつが横から口を挟んだ。
「お前が死んでも計画は頓挫する。自分が標的になる理由を考えてみるこったな」
「この開拓計画には、俺の名前はどこにも入ってない。俺抜きで機能する組織になっているはずだ」
「外界で、不測の事態がなければな」
 そいつは皮肉げに笑ってみせた。そして付け足す。
「ないわきゃないだろ?」
「そうだな」
 こいつは認めた。
 だが、そいつに向き直って告げる。
「別段の警備がいらない本当の理由は、俺ひとりで対処できるからだよ」
「そんなこと、どうして分かるの?」
 疑わしげに、そいつ。こいつはうめいた。
「こんな切羽詰まった時期に出てくるようなのは、どうせ出涸らしだ」
「あるいは切り札か」
 またそいつが余計な口出しをしてくる。こいつはちらと視線を送ったが、死の教師はにやにやして椅子を傾けている。このところ堅苦しい会合が続いたので憂さが溜まってるのだろう。スーツ姿でないそいつを見るのも久しぶりだった。
 そいつのことは無視する形で、こいつは議論を終わらせた。
「それにどうせ、出航まであと四日だ」


2009.01.18.
眠いでやんす時の不定期連載。
 会議室を出て廊下を進んでいると、背後から追いかけてくる足音があった。
 音の調子でだいたい予想がつく――ぱたぱたと鳥のようにぎこちないのがあいつで、妙に静かで肉食獣を思わせるのがあいつだ。
 聞こえてきたのはそのどちらでもない。言うなれば車輪のように正確な歩き方だ。音から速度が分からない。
「俺が護衛してやろうか?」
 そいつの声に、振り向かないままこいつはつぶやいた。
「賞金首ふたりで護衛し合うのか?」
「いいじゃねぇか。どっちを狩ろうか賞金稼ぎが迷ってる隙に、ズバァだ」
 剣を振るような仕草をしながら、速度を上げたそいつが横に並ぶ。こいつはそれを横目で見やった。
「開拓団のリーダーが人斬りだなんて噂を立てられたくはないな」
「周知の事実だろ」
「スポンサーが、知らなかったと言える余地がなくなっちまうのはまずいって話だ」
 そんなことを言い合っているうちに階段を登り、ホテルのロビーに出る。
 部屋着のそいつは、そのまま部屋にもどるだろう――こいつは外に出るつもりだった。適当に会釈して別れようとすると、機先を制してそいつが声をあげる。
「サンクタムなんて名前の殺し屋は聞いたことがない。本当に出涸らしかもな」
「ああ……」
 と、こいつが半端に言葉が詰まらせるのを見て、死の教師は狙い撃ちでもするような手つきで指さしてきた。
「ンなこと思っちゃいないんだろ?」
 こいつはあたりを見回した――ロビーには警備が立っているが、近くにはいない。少しばかり声を落として答える。
「多分、対処できるのは俺だけだ」
「で、これから処理に赴いて、帰ってくるのは出航の時か?」
「もっと早く済めば、早くもどるさ」
「間に合わないってことは?」
 そいつの問いに、こいつはしばし虚空を見上げた。
 他に言えることはないと確信して、口に出す。
「さあな。なんで分かるわけないことを訊くんだ?」
 それだけ言い残して、外に出て行った。


2009.01.19.
なんだか懐かし玩具づいたので、また玩具屋で買い物してみました。

まあ懐かしくない物のほうが多いですが。
細かいの色々買ったのでかなり満足感あります。
玩具って面白いですよね。そして恐ろしくもあります。

この笑顔で戦場へ。
でももみあげ気に入っちゃったんですよね。

メインはこれです。
わんさかごちゃまん!
これ知ってる人は多分わたしと同年代。
さすがに記憶があやふや過ぎます。これ昔からわんさかごちゃまんでしたっけ……

野球ロボ。
攻守を同時に行える画期的な設計。
現行のルールでは露骨に不必要な仕様なので、日本野球機構に大胆なルール変更を提案中。

ゴルフロボ。
なんとティーショットとパターを同時に!
……なんていうか基本、とにかくなにかを同時にしたいんですね。ロボって。
わんさかごちゃまん!

2009.01.20.
打ち合わせのために出版社へ。
会社前から電話してみると「あれ?明日じゃありませんでした?」
マジ間違えしました。
もはやカレンダーすら使えなくなってしまったわたしです。まだ文明人でいられるでしょうか。
出直そうかと思ったんですが、先方が予定を変えてくれました。すみません……
約束の日を間違えたのは初めてです。
まだまだあるな!未体験のミス!

2009.01.21.
なんとなく玩具月間になってきてます。

19日の画像の隅っこに写ってる、WALL・E のマグネットですが。
イヴ欲しさに買い足してたらこんなことになってました。ていうかモー率高すぎ。
イヴ可愛いですよね。こういう、真面目がちょっと行き過ぎたクールビューティーな子に弱いです。丸いし。

2009.01.22.
ラジコンは男のロマンですよね!

買った後、5分くらい動かしたら「さて、これどうしよう」とか思ってしまうのは分かっててもね!
でも玩具ってそういうもんだよね!

2009.01.23.

ようやくヘルボってきました。
で、あんまり関係ないっちゃないんですが、大江戸線を使ったわけなんですよ。
使わない人にはピンと来ないかもですが、相変わらず地下深過ぎです。
遠ーーーーーーいエスカレーターを見ると、なんか凄ぇ妙なものみたいな気がしてきます。
マジこれ掘ったんですか?誰が?って気分です。
たぶん地底人。掘るの特技。

2009.01.24.

Playmobile なんだか気に入ってまた買ってしまいました。
どうってことない人形なんですけど、妙によく出来てるっていうか、凝ってるんですよね。
これなんてホルスターもちゃんと使えるし、現金ケースに硬貨、拳銃の予備までセットです。
ベルトもマスクも外せるし。
まあこのポーズ、金袋を強奪してるんだか差し出してるんだか微妙ですけど。
他にも種類たくさんあって、海賊や古代の戦士、消防士とかバーベキューで肉焼いてるだけの人なんてのもありました。
……バーベキューよく分からないんですよね。
他の人形はすげー鎧着てたりとか、バイクに乗ってたりするのに、バーベキューの人は本当にただ肉焼いてるだけなんですよ。
なんでその人チョイスされちゃったのか。
次に買う時には、バーベキューの人を買ってしまいそうな気がすごくしてます。

2009.01.25.

これはわりと前に手に入れた物ですが。
ポクポンってやつです。……よね?
アメコミ仕様です。
露店で売ってたんですが。
よく見たら横に注意書きがあって。
『勝手に作ってるものなんで、厄よけの効果はありません』
そんなん見たら買わずにいられませんでした。

2009.01.26.
道を歩いていると、「おいお前、一番好きなジェダイは誰だ?」と訊かれることって頻繁にありますよね。
いつ訊かれても良いように日頃からポケットに人形を入れておいてもいいですね。
おかしい人って思われますけどね。

メイス・ウインドゥ好きです。
カートゥーン版での奮闘っぷりはもはや笑えます。
平原を埋め尽くすドロイド軍を徹底的に壊滅し、さらに巨大な戦艦が襲いかかってきてどうするのかと思ったら、なんにも躊躇わずライトセーバーで斬りかかっていきました。戦艦に。
さすがはマスター、極まり過ぎです。

こんな感じ。いい顔。
でまあ、ずっと、そのカートゥーン版のが欲しかったんですよね。
見つけたんで買っちゃいました。

人形になってもステキ顔。なんでか眉がないですけど。
リアル版のと比べてみました。

……あ、あれ。あんまり変わらないか?

2009.01.27.

バーベキューの人の思わぬ魅力を発見しました。

なんか怖い。

なんか、怖い。

2009.01.28.
昨日は出版社の新年会でした。
大きなホテルの会場なんですが、集まる人数も1200人とかそれ以上っぽいようだったので、かなり人、人、人です。
これだけ人がいるのなら可能なんじゃないかと、誰でも思うはずですよね。
つまり人混みに紛れて、知ってる人に気づかれず、どれだけすれ違えるかチャレンジです。
というかこんな時でもないとできない遊びです。
結構いけるんですよね。まあそんなことされるって警戒してる人もいないでしょうからそりゃ難しいわけもないんですけど。
知り合いといっても色々あるわけで、そんなに会ってない人からこっそりクリアしていきます。
でもやっぱりよく会う人となると難しいです。作戦がいります。
会場のどこにいるのか分からないですし、いきなり出くわすとアウトなので、人に訊いて情報を仕入れたりします。
そんなわけで10年くらいの付き合いがある馴染みの編集者を警戒してたんですが、なんか姿がないんですよね。
もしかしたら来てないのかなー、と思い始めた時。
突然ばたっとその人が現れて。
「さっきから3回くらい見つけてましたよー」
アウトどころか負けてた!

2009.01.29.
今日はクロネコ、佐川、ペリカンの宅配便が立て続けに来た日でした。
しかも外に並んでたんじゃないかってくらいの時間差攻撃。
わりとレアな出来事って気がします。

2009.01.30.
よく利用する総菜屋さんで、すげぇいい匂いしたんですよね。
したら、なんか妙に目立つ物体が。

いきなり団子っていうらしいです。
なにがいきなりなのかよく分かりませんが、ホントにいきなりありました。
見た感じだといきなりなんだかよく分かりません。
で、いきなり買って帰ってみたわけですが。
いきなりめっちゃ美味いんですよ、これが。
中身、いきなりこんな感じです。

さつまいもとあんこ。
これを小麦粉的なものでいきなり包んで、いきなりふかした感じです。
香りいきなり良いです。なんてこった。いきなりなんてこった。

2009.01.31.
夜の新宿といえば酔っぱらい。
そんな酔っぱらいの会話。in 新宿駅。
A「早くホーム行きましょうよ」
B「まだ大丈夫だろ」
A「でも総武線来てますよ」
B「総武線がなんだってんだ」
なんだってんだってことはないだろうと思いながら通り過ぎました。
まあそれはともかくとして。
不定期連載の書籍化計画ですが、せっかくだからボリュームのあるものが良いんじゃないかという話になりつつあります。
書き下ろしもするんですが、せっかくだからミニ文庫のやつとか、今まで雑誌で発表しながら文庫にしなかったものなんかも収録してしまおうかとか。
わりとわけ分かんないくらいのノリがちょうど良いんじゃないかとか。
でも古い時代のものはわたしの手元にすら残ってないんですよね……ミニ文庫とか。データもないですし。
持ってる人を探して借りるしかないかなあ、なんて話をしてました。さっきまで。