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奈良町は「にゃらまち」、なぜ猫多い?(2/2ページ)

2009年1月31日17時42分

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写真奈良町かいわいの黒猫

写真奈良町かいわいの猫

写真奈良町かいわいの猫

写真奈良町かいわいの猫

写真「猫段」と呼ばれる東大寺境内の石の階段=奈良市雑司町

 もしかしたら奈良町の一角にある世界遺産・元興寺と何か関係があるのかも? 辻村泰善住職に聞いてみると、「関係はありません。むしろ、猫はネズミを食べてしまうから、殺生を禁ずる寺では飼ってはいけないと昔から言われています」ときっぱり。

 辻村住職によると、奈良町で猫が増え始めたのは80年代ごろから。ペットブームもあって飼い猫とともに野良猫が増えたらしい。「お寺もそうだけど、路地や空き地、庭が多く、猫にとってすみやすい場所なんだと思いますよ」

 一方、奈良町を英語でガイドしている大和郡山市の八丁良子さんは「この一帯は優しい高齢者の方が多い。猫に対しても優しくする人が多いのでは」と推測する。

 確かにそうかも。でも、何だかすっきりしない。取材を続けていると、東大寺清涼院の森本公穣住職がこんな気になる伝承を耳打ちしてくれた。

 「東大寺の境内にある石のでこぼこ階段は、『猫段』と言われ、ここでこけてしまうと猫になる」

 実際、大仏殿と鐘楼をつなぐ「猫段」を歩いてみると、かなり歩きづらい。だとすると、古くからこの坂でこけた人はいったい今ごろ――。

 突然、頭のもやもやが晴れた。そうか、そうだったのかっ!。奈良町の猫たちの前世は、東大寺の「猫段」でこけた人だった、って、そんなわけはないか……。(石原孝)

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