達人 (再掲) | 2336|共感8
60837| JAPANwatcher1 | 2006.12.14 21:39:12
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 造船半島が、未だ日本の大いなる呪縛をうける前の、幸福な時代の事である。

 李嘗淑は、その名からも判るとおり、代々王家に仕える嘗糞師の嫡子として、第四代李朝造船王・世宗の治世半ばに生を受けた。母は嘗淑を産んでほどなく亡くなった為、嘗淑は父により嘗糞の英才教育を施され、糞を寝床に、そして乳として育った。

 幼少の時分よりその天才は隠し難く、特異なまでの才能は、すでに造船全土に及び知れ渡っていた。
 あらゆる病人の糞を舐めその病名を当てることから始まり、出身地から、果ては十日前に何を食したかまでをことごとく看破するその才能は、まさに神童の名が相応しかった。また、成人となる頃には造船における古今東西の嘗糞法を整理研究し、水車嘗め、松葉嘗め、病身嘗めといった新たな嘗め方を次々と編み出した。彼の案出した新嘗法は必ず流行し、市中の若者は競ってそれを真似たという。

 当時すでに嘗糞は娯楽化し、健康を調べるという本来の名目はうしなわれつつあったが、嘗淑は嘗糞のその実用性と娯楽性の両面において、まさに自在の才能を示していたのである。

 しかし、造船半万年の嘗糞の歴史において一、二の達人とまで言われたその父は、ついぞ嘗淑の、その抜群の才気を認めることが無かった。
「お前の嘗めは聡過ぎる・・・」
「よいか嘗淑・・嘗めんと思った時はすでに嘗めている、これが要諦であり総てじゃ・・それ以上の細事は無用也」
 嘗淑は、何故かいつまでも自分を認めようとしない父に不満であった。それゆえ彼は、常に嘗糞法の新たな研究に没頭することで、何とか己の血と、父への反発を鎮めていたかに見えた。

 

 

 ちょうどその頃、明の使者に三跪九叩頭の作法を咎められ懲罰を受けたばかりの世宗王が、天下に轟くふたりの名人を見て、憂さ晴らしの残酷な思いつきを得た。そして初めて親子を同時に王宮に呼んだ王は、にやりと笑うと言い放った。
「是非見たいのう、天下の名人同士の勝負を・・・満韓糞試じゃ、異存は無かろう!勝負は来月・・両者仕度せい!」

 満韓糞試とは、檀君の発案したと言われる、嘗糞師の名誉と、時として命までを賭けた嘗糞勝負である。その勝者となることは、造船嘗糞界最高の栄誉とされていたが、しばしば数日間にも渡るその苛烈な勝負は、時として超一流の嘗糞師さえを廃人とし、さらには命を奪うことすらある非情の闘いであった。
 
 とはいえ当時、王の命令は絶対であった。
 六十年ぶりに行われる、命すら失うやも知れぬ過酷な嘗糞勝負である満韓糞試。しかも造船嘗糞界の総本山とも言える名家の親子が対決し、どちらかは滔滔と積み上げて来たその名誉を失うのである。それからの城下は、この噂でしきりであった。

 

 

 勝負の日は、ついにやって来た。世宗王自らの鳴らす重々しい銅鑼の音と共に、満韓糞試は始まった。

 主当て、隠味の吟味、聴香、下痢便舐め、踊り食い・・・・あらゆる嘗糞の技術と教養を競う凄まじい試合は、しかし三十五品目に至るまで、全くの互角と見えた。
 勝負は、すでに三日目に入っていた。それは恐ろしいまでの接戦であり、そしてまた、観客の神経をもすり減らす苛烈の戦いであったが、世宗王をはじめ、この天下の勝負の立会人にならんと猫車に乗り駆けつけた両班から、特別に見物を認められ闘場を遠巻きにする白丁達に至るまで・・満場の誰一人としてその場を辞する事無く、糞便をその場に垂れ流しつつ、固唾を呑んでこの勝負の行方を見守っていたのである。
 
「両者、見事である」想像以上の両者のたたかいぶりに心底感服した様子で、世宗王が宣言した。

「よいか、この品をもって最後の勝負じゃ・・・最後の勝負は・・・早嘗め勝負とする」
 満韓糞試は、三十六品の糞をもって闘い、その勝者を決するのが古来よりの決まりである。
 そして王が高々と掲げたその一本糞を見た嘗淑は、思わずあっと声を上げるところであった。くろぐろとしたその色艶と張り、堂々とした太さ、芳しい香り、そして流れるような糞紋としてその表面を飾る未消化物。そして何より全体の品格も全くもって申し分無い、それはまさに嘗淑のような嘗糞師にとっても十年・・・いや、百年に一度見ることが出来るかどうかという逸品であったからである。
「この究極の品をもって総てを決する・・・どうじゃ」王は、両者に尋ねた。

「はっ、異存などあろう筈も御座いません、全力をもって・・」嘗淑は、疲れきり糞まみれとなったその体に残る、その闘志を奮い立たせて答えた。

 しかし、王の言葉を受けて父が発したその言葉は、嘗淑にとって意外なものであった。
「・・・・残念ながら、すでに舌が痺れおり候・・・この年寄りにはいささかきつい勝負であり申した」
「ならば無条件にて嘗淑の勝ちとするが・・・それで良いのか」
「御意」
 父は、うなだれるでもなく、あくまでも凛呼として王の宣告を受け入れた。

「うむ・・・ではこの満韓糞試・・李・・・嘗淑の勝利じゃ!!」
 立見まで含めるならば、数千人にもなろうか。異様な臭気に満たされた闘場を埋めつくした観衆の発した、どよめきと祝福が王宮を満たした。

 

 

「勝った!・・・このわしはついに父上を超えたのじゃ!それも王様の眼前で!!」
 その後、勧められるまま大いに酒肴を採り、犬肉や幼児の肝、烏の目玉など、抱えきれぬほどの褒美を手にして帰路についた嘗淑であった。
 
 未だ興奮の冷めやらぬまま、灯をかざしうっすらと月明かりの差す貧民街を歩く彼が、ふと路傍に屈み込む人影に気付いて一瞥した。
「乞食か・・・」そのまま通り過ぎようとし、しかし何か違和感を覚えてふたたびその影を確認した嘗淑は、あっと我が目を疑った。何とその姿は、とうに王宮を辞したはずの父であったからである。おぼろげな月明かりの下・・先程まで激烈な勝負を自分とたたかった父が、路傍に跼り、ひたひたと糞を嘗めている。

 あの三日間に渡る満韓糞試の後で、が、この老いた達人は未だ糞を嘗め足り無いかに見えた。しかも、大通りまで出れば、いくらでも新鮮な人糞が落ちているというのに・・・父はそれすら待ちきれぬのか、この溝の脇の狭い道で、上等とはとても言えぬ干乾びかけた犬の糞を、しかしぴちゃぴちゃと・・聞いている者も思わずふるいつきたくなるような舌の音と共に、陶然と舐めていた。
 
 だが、ならば何故あの時・・・そして嘗淑は、はっとその理由に想いあたった。父はあの、あまりに見事な逸品を、勝負の道具とすることを恐れたのだ!それに気付いた瞬間、嘗淑の全身は稲妻に打ちのめされたかのように震えたことであった。 
 この父の、まるで赤子のように糞にむしゃぶりつく姿、何としても糞を嘗めたいというその心・・・それこそが、まさに我々造船_人の本来持っていた嘗糞道の本質ではなかったか。到底敵わぬ、この存在には!所詮、自分の技は糞を愛する心、そして何より嘗めたいという心を欠いた、理の技に過ぎなかった!・・・

 ばさばさと、褒美の品々を惜しげもなく溝の中に投げ捨てた嘗淑は、その横に跪いて傍らのしなびた犬糞を手に取り、不出世の嘗糞師に願った。   
「父上・・・私もご一緒させていただきとう存じます」
「うむ・・・」
 父は嘗淑を見るでもなく乾いた黄土色の糞をしゃぶりつつ、しかし満足げに肯いたものであった。

 これ以降、慢心を廃し父の元で精進した嘗淑は、ほどなくして後のいわゆる造船嘗糞道の原型を確立した。その極意を纏めた三冊の著書は残念ながら現存しないが、「嘗めれば糞なり。嘗めずは糞なるべからず」「序破嘗」といった、その箴言と嘗糞論の数々は未だ嘗糞道の要諦として、現代韓国に至るまで伝承され続けている。

 

 

 その晩年。
 正月にお互いの糞を舐め合い、また秘蔵の珍品糞を披露して新年の無事と幸せを祈る当時の李氏造船の風習は、現代韓国におけるそれと、ほぼ同様である。
 しかし、その年の元旦、ある将軍宅に招かれた嘗淑であったが、その主の行状はいささか度を超えていた。何百人になんなんとする客たちを前に、天竺において得たというそのとぐろ糞を延々と自慢し、自らの未熟な嘗糞哲学を語り続ける将軍に、皆は心底辟易していた。

 と、その時・・・それまで胡座したまま静かに眠っていたかに見えた嘗淑が、突如しんしんと口をひらいた。
「嘗糞道の極意は求めずして嘗め、期せずして嘗めること・・いかに珍なる品とはいえ、自ら糞を求めるようでは未だ未だ・・・道を極めたる者には、糞のほうが嘗められに来るものでござる」
 来客達の顔色がさっと蒼ざめた。六尺にもなる長身を誇る血気盛んな将軍は、ぎらりと光る造船刀を抜き放つと、天にまで響こうかという大音声で叫んだ。
「言うたな嘗淑殿!・・ならば貴殿の言葉を証してみよ、・・・場合によっては只ではすまんぞ!!」

 その言葉を聞くともなく悠然と屋敷の庭に歩み出た嘗淑は、ゆっくりと口を空け、天を仰いだ。
 満座の客が、突如空を黒く埋め尽くすが如く飛来した渡り鳥の大群を見てあっと思ったその刹那、ぼとぼとと落ちてきた大量の糞が、一瞬にして嘗淑の口中を満たしていたという。

 


 

【過去スレ↓】

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watcher1|12-14 21:56
スカトロ土人の皆様に送る「嘗糞師・李嘗淑」シリーズ第二弾、製作快調nida! w
 → zhunji33|12-14 22:32
うーん, いつや心より watcher1さんの手まめな活動には感嘆しているがこの土人には特別な感想が感じられないんですね. もうちょっと頑張って面白くした方が良いように.. ゲラゲラ
dmlxoek|12-14 22:11
嫌韓は皆精神病があると確信する.
 → sutebia|12-14 22:41
まぁ日本人からもよく分からんが、文才は有るみたいだね。 才能の無駄遣いってやつだ。
sarangkorea|12-14 23:40
中島敦が朝鮮を題材に名人伝を書いていたら、斯様な作品が生まれていたであろう。
 → fogman8|12-15 00:01
いや、私も同感でございます。すばらしい(笑)。
remon|12-14 23:53
( ; ーωー) う~ん 恐るべし朝鮮糞尿文化。 トイレの便座が李嘗淑の口に見えてきた。キモイ
dplbxl|12-15 06:48
日本= 戦争を起こした国, 戦争を誕生させた国, 他の国を侵略する国, アメリカに原爆一度当たって降参しなかった国, アメリカに原爆二度当たって降伏した国, 戦争を起こした主動者を崇拜する国, 再び侵略するかも知れない奈良, 独島を奪おうとする奈良, 独島を言葉尻で他のものを奪うかも知れない国 日本人は絶対信じないでください. よくもてなしてくれれば, いつまた侵略, 掠奪, 弁解する民族だから... :p
hideden|12-15 08:24
う~ん・・・思わず筒井康隆を思い出してしまった。筒井康隆著「俗物図鑑」の1コマに出てきそうな親子だ。
18世紀には西洋はエジプトの調査をしていたのに何故、日本は1970年代までしなか [5]
- 達人 (再掲) [9]
北欧人女性の平均身長=アジア人男の平均身長(笑)アジア男って何でそんなにダサいの [7]