化学反応 4/1/04
酒鬼薔薇聖斗の事件を考えるにはもう一人、土師淳君の事について言わなければならない。
誰も言わないし、根拠も無いのだが、私は淳君が無口だがかなり知能の高い自閉症だと
みている。
そして、少年Aはアスペルガー症候群であるとみている。
二人は、年は違っていても一緒に遊ぶことが出来た。
つまりある程度のコミニュケーションを取ることが出来ていたのだ。
少年Aが単独で存在していたなら、あのような事件を起こしただろうか。
淳君を通して自分の正体に気づいたのではないだろうか。
私が、テレビの中のカナー型の少年をみて自分の正体に気づいたように。
少年Aが自分の正体に気づいたとき、その環境の違いに愕然としたに違いない。
知性的で優しい両親。いつも気に掛ける祖父母。
陰の薄い父親に、厳しい母親。やさしい祖母はもういない。
あの団地の一角に、不幸な組み合わせが出来上がり、化学反応が起きてしまった。
私はそうとしか思えない。
私が少年Aにならなかったのは、本当に紙一重の差でしかないと思う。
事件は起き、年月が経ち、少年Aは社会に出てきた。
そこに待ち受けるのは、「この子の罪を一緒に背負っていく」という強い信念を持った両親。
私は断言する。絶対両親と会わせるべきではない。
彼の記憶が普通の人と同じぐらい薄れるには50年以上掛かるだろう。
それまで待つべきだ。
精神科医で私と同じ意見を持つ人が居た。
家族関係に精通した斉藤学先生である。
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