ペキンの完璧の母 8/15/04
自閉症とは非常にやっかいな障害である。
そのメカニズムも、ようやくその一端が垣間見えただけで、まだまだ未解明である。
数多くの親達が手探りで毎日を過ごしてきた中で、稀にその謎を解く力を与えられた
親が居る。ローナウイングなどだ。
それらの人たちの研究は確かにインパクトを与え、自閉症研究に寄与した。
それでも、決して自閉症の子供にとって完璧の母であったわけではなく、
ただ真面目に謎解きに挑戦しているだけである。
ところが、日本には(特にネット上には)完璧の母が居るらしい。
子供が自閉症で、さらに自分もアスペルガー症候群だから、自閉症のことで
分からない事が無いらしい。
全肯定だ。
なるほど、考えると言うことを放棄した心理士らしい言い分だ。
とにかく、彼女は完璧だから、息子も「完璧な自閉症」となるんだろう。
「完璧な自閉症」というものがどの様なものか分からないが、とにかく将来が楽しみだ。
しかし、もし息子が思い通りの成長をしなかったとき、彼女はどうするか。
それは簡単だ。
息子が不幸になったのはすべて「回りが理解しなかった」から。
彼女には問題ない。
何故なら、彼女は完璧の母なのだから。
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