或るスレを読む。
最近では料理と呼ぶも憚る餌を嗜好する事を「Ｂ級グルメ」と言うらしい。
取り敢えず、ブリア・サヴァランも吃驚と言うしかないだろう。
粗にして野にして卑、悪食の極みというしかない。

値段と量で料理の価値を決めるのだろう、
端的に言えば、洗練に欠け、文化度が低い。
第一、行われるべき素材の処理も盛り付けも度外視して、
偏に安価なる事と量を追求したものなど料理とは言わぬ。

それは既述の通り、餌と呼称されるべき物であるが、
畢竟、動物園で鳥獣に饗されるそれの方がまだ「仕事」をしているかもしれぬ。
本当に「この処理、この盛りつけこそ韓国（料理）」であるなら、
私は一生「韓国料理」など食べなくて良いと思った次第である。

だが、恐らくはそうではあるまい。
この指摘が本当か否かについて、改めて現地に詳しい人物に問うた所、
韓国料理の名誉のために弁護するが、綺麗に盛り付けた物も多く存在するとの事であった。
実際、スレ主自身、否定的な評価を下しつつも「小洒落た」韓国料理の存在自体は認めている。
或いは、それは本来の韓国料理ではない、と言うかもしれない。
確かに伝統的な物ではないという点でその指摘には一理ある。
ただ、それならば所謂「ヌーベルシノワ」は中華料理ではない事になるだろうし、
掲載された各種の「料理」についても、その伝統性について疑いの目を向けねばならなくなるだろう。

詰まる所、スレ主は自己の悪食や貧乏舌を文化の違いに仮託して正当化しているに過ぎない。
また、この言い訳がましさが、某氏が自分の見解に批判を受けた時に縷々行う繰言に似て、
ただでさえも不快なスレを更に酷く不快なものにしてしまっているのである。
その為に、貧しいのは舌だけかと疑わざるを得なくなるのは誠に残念な事だ。

そして寧ろ深刻な問題とするべきは、悪食ではなくこの点であると思うのだが、如何だろうか。


―普段何を食べているのか教えてごらん、どんな人だか当ててみせよう。