麻生太郎首相がスイス東部ダボスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で31日に行う演説の概要が30日、明らかになった。金融・経済危機と気候変動問題の「三つの処方せん」を打ち出し、気候変動問題では6月までに、20年ごろまでの温室効果ガス排出量削減の中期目標をまとめる方針を初表明する。
政府はこれまで、中期目標の決定時期を明確にしていなかった。斉藤鉄夫環境相は30日、削減目標についてダボス会議で「(先進国全体で90年比)25~40%削減とのシナリオに各国は責任を分担すべきで、日本はその用意がある」と表明することを明らかにした。
首相はダボス会議で31日午前(日本時間同日夜)に約30分、演説する。13年以降の温暖化防止の国際ルールを定める「ポスト京都議定書」交渉は、12月開催の国連「気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」に向け、6月にドイツ・ボンでの「特別作業部会」(AWG)で新しい体制のたたき台が示される。日本国内の調整は産業界の慎重姿勢などで難航中だが、首相はAWGまでに中期目標を設定するため、ダボス会議で打ち出すことにした。【川上克己、大場あい】
毎日新聞 2009年1月31日 5時00分