事件・事故・裁判

初場所１０日目に山本山（右）と対戦した若麒麟＝両国国技館で２００９年１月２０日、三浦博之撮影

　神奈川県警薬物銃器対策課などは３０日、大麻を所持したとして、東京都江東区清澄２、大相撲尾車部屋の十両力士、若麒麟（わかきりん）真一（本名・鈴川真一）容疑者（２５）を大麻取締法違反（共同所持）の疑いで現行犯逮捕した。同日深夜、尾車部屋の家宅捜索を始めた。幕内経験のある日本人力士が大麻事件で逮捕されたのは初めて。

　逮捕容疑は、若麒麟容疑者が同日午後０時５０分ごろ、東京都港区六本木４のＣＤ販売会社事務所で、渋谷区元代々木町２のミュージシャン、平野力容疑者（３０）＝同法違反容疑で現行犯逮捕＝とともに、ティッシュにくるまれた乾燥大麻１６グラムを共同で所持していたとしている。

　県警によると、２人は友達同士で、若麒麟容疑者は大麻を「自分のもの。（普段から）葉巻に混ぜて吸っていた」と容疑を認め、平野容疑者は「僕のじゃない」と否認しているという。

　逮捕現場は、県警が別の大麻譲渡事件で事情を聴いていた品川区西五反田３、アルバイト、川中嶋達樹容疑者（２１）＝同法違反（譲渡）容疑で同日逮捕＝の職場。県警の捜査員が家宅捜索に入ったところ、若麒麟容疑者がソファに座り、その前のテーブル上に大麻があった。平野容疑者は隣室におり、事務所内は他に誰もいなかった。２人とも大麻を吸ってはいなかったという。

　若麒麟容疑者は兵庫県川西市出身で、９９年春場所で初土俵。０７年九州場所で新入幕し、０８年初場所では自己最高位の前頭９枚目につけた。今月の初場所は東十両３枚目で９勝６敗だった。【吉住遊】