宇和島市立津島病院(旧津島町立津島病院)で医師に対し、01年4月から約5年間に、条例に基づかない手当を支給し、同市に損害を与えたなどとして、石橋寛久市長や医師らに不当利得の返還などを求めた住民訴訟の控訴審判決が29日、高松高裁であった。杉本正樹裁判長は、1審・松山地裁判決を一部変更した上で、住民側の訴えを棄却した。
判決では、雑手当、入退院手当などの手当は条例に基づかず違法と認定。しかし、故意に公金から支出させたとは認められないとして、医師の不法行為は成立しないなどとした。公金を支出した当時の町長についても、医師の確保問題などを考慮すると支給を中止することは困難だったなどとした。【吉田卓矢】
毎日新聞 2009年1月30日 地方版