【江戸時代の旅行】東海道53次 御油・赤坂・藤川
宿場の様子がよく描かれている絵が続くのは35番目の御油宿と36番目の赤坂宿です。御油は現在の愛知県豊川市、赤坂は音羽町です。
両宿場はおよそ1700メートルと至近距離にあり、もともとひとつの宿場として機能していたものが後に独立したと考えられています。ともに大勢の飯盛女が働いていた宿場で、旅人だけでなく地元に住む若者なども訪れてたいへん賑っていたようです。
御油宿
副題に「旅人留女」とつけられている御油宿は、留女が旅人の荷物を引っ張る強引な客引きの場面です。

現在の御油

赤坂宿
続く赤坂宿では旅籠の内部が詳細に描写されています。この絵のモデルともいわれる旅籠「大橋屋」は、現在も営業を続けている貴重な存在です。

現在の大橋屋


大橋屋の夕飯
また、御油宿から赤坂宿への道中には、現存する東海道随一の松並木で国の天然記念物に指定されている「御油の松並木」が600メートルほど続き、当時の風情を今に伝えています。
さて赤坂宿を発ち、山あいの道を進んでいくと宿場の東の出入口である「東棒鼻」に着きます。

藤川宿
広重が藤川宿の題材にした場所で、絵にある棒杭と関札は現在、復元されています。
発足時は小規模の宿場でしたが、隣村から移住させて整備しました。
藤川本陣跡(藤川宿資料館)
脇本陣跡には門が残っているのみですが、藤川宿資料館が設置され、宿場の模型などを展示しています。
高速道路で移動するのもいいですが、
たまには旧道を通ってみてはいかがでしょうか