2008年12月04日
銀行のATM、電車やバスのアナウンスも中村さんの声だった!
第13回「音の匠」は時報や留守番電話サービスのアナウンスを務める中村啓子さん
Phile-web編集部
(社)日本オーディオ協会は、「音の日」の記念行事のひとつとして、1996年より音を通じて文化や生活に貢献した人々を「音の匠」として顕彰する活動を行っている。本日、都内で行われた「音の日」行事(関連ニュース)において、第13回「音の匠」顕彰式が執り行われた。(左から)「音の匠」に選ばれた中村啓子さんと「音の匠特別賞」に選ばれた山下桜さん |
(社)日本オーディオ協会 会長の校條亮治氏 |
「この知らせを聞き自分の半生を振り返ってみたが、富山の小さな町で生まれた私がまさか匠と呼ばれるなんて、と感動し目頭が熱くなった」とその喜びを語る。
中村さんがナレーターの仕事をする上で心がけていることは「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい」という聖書の一節だという。「たとえばNTTドコモの留守番電話サービスの『電波の届かないところにいるか・・・』という言葉はすみませんという気持ちを込めて、リムジンバスのアナウンスでは、“外国から長旅でいらっしゃってお疲れ様です”という気持ちを込めている」と聞き手の立場に立って読むという姿勢を大切にしていることを紹介した。
「ですから、機械じゃないの?と言われる度に、寂しい思いをしていた」という中村さんだったが、第11回の「音の匠」に選ばれたエッセイストの三宮麻由子さん(関連記事)がエッセイの中で、自身の声を“言葉を超えた呼びかけがある気がする"と評してくれたことがとても嬉しかった、と語る。三宮さんは会場に駆け付け、顕彰の喜びを分かち合っていた。