昨年、都内で急患の妊婦が複数の病院に受け入れ拒否された問題で、猪瀬直樹副知事は29日、搬送拒否された妊婦の遺族と家族にそれぞれ面会した。
猪瀬副知事を中心とした「周産期医療体制整備プロジェクトチーム(PT)」の取り組みの一環。面会したのは、都立墨東病院(墨田区)などに受け入れを断られ死亡した妊婦の遺族と、杏林大病院(三鷹市)などに断られた妊婦の家族。面会は計2時間に及んだ。
面会の冒頭、遺族側が「今後はこのようなことがないよう再発防止を徹底してほしい」と訴えると、猪瀬副知事は「(奥様の)死を無駄にしないため、ご意見を伺いたいと思います」と応えた。
面会後、猪瀬副知事は取材に対して「妊婦の家族へのヒアリングさえ、これまでしてこなかったのは反省しなければならない」と述べ、「(搬送時の病院間)コミュニケーションの行き違いが多い。医療クラークなど事務担当を置いて分業体制を作るべきだ」と提案した。【江畑佳明】
毎日新聞 2009年1月30日 地方版