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上杉隆氏が理解していない簿記の基本
私の記事に対する上杉隆氏の反論がダイヤモンド・オンラインに出ている。当ブログは、実名の批判には基本的に答える方針なので、お答えしておこう。彼はこう書く：
「財源は埋蔵金を使うから国債は増えない」などという政府の説明を上杉氏が信じているのも驚きだ。埋蔵金は特別会計の剰余金だから、要するに税金である。つまり減税するぶん他の税金（国債の償還財源）を取り崩すだけなので、負債（国債）が減らないかぎり、今年の減税2兆円は将来の増税で必ず相殺される。それが2年後の消費税かどうかなんてナンセンスな問題だ。一般会計の税収は、特定の使途に特定の財源が結びついているわけではない。重要なのは国のバランスシート全体の収支であり、どの税収を何に使うかではない（そんなことは予算にも書いてない）。
定額給付金を埋蔵金でファイナンスするのは、資産の項目を変えて一つのポケットから別のポケットに税金を移すだけだ。卑近な例でいうと、上杉氏の収入が原稿料だけだとしよう。あるとき貯金が底をついて、タンスの中にあったへそくりを出して昼飯代に使ったとすると、上杉氏は得をしただろうか？タンスの中にあろうと銀行にあろうと、上杉氏の本源的な収入は原稿料しかないので、彼は得も損もしていない。政府支出は国民の税金を国民に還元するだけなので、長期的な経済効果はプラスマイナスゼロである。
これはリカードの中立命題として、200年前から周知の事実だ。バラマキ政策が一時的に効果をもつように見えるのは、国民の錯覚を利用しているだけで、それも何度も繰り返すと、国民も学習してだまされなくなる。定額給付金を信用しない日本人は、中立命題を学んだのである。それを理解していないのは、簿記も知らないジャーナリストだけだ。
追記：自民党は、関連法案の成立をまたず、政府短期証券を発行して定額給付金を支給する方針を打ち出した。これで上杉氏の「2兆円が天から降ってくる」という話も根拠がなくなったわけだ。要するに埋蔵金も国債も同じで、最後は税金なんだよ。
給付金は、税の還付であるかどうかは議論の分かれるところだが、少なくともその財源について〈国債の増額〉〈必ず増税〉ということはない。今回の第二次補正予算でも明らかなように、その大部分には「埋蔵金」が当てられる。定額給付金が減税であるか還付であるかはどうでもよい。問題は、それが国の資産を2兆円減らすということだ。国の財政を複式簿記であらわすと、資産には税収と国有財産があり、負債には国債がある。政府債務843兆円に見合う将来の税収が843兆円あるとすると、税金（資産）を2兆円取り崩すと、何らかの方法で資産を2兆円増やさないと債務不履行が生じる（国有財産の売却は、もともと資産に計上されている項目を現金化するだけなので、バランスは変わらない）。現実には、現在の税率では税収は国債残高に見合わないので増税は不可避だから、2兆円は将来の増税に上乗せされる。
「財源は埋蔵金を使うから国債は増えない」などという政府の説明を上杉氏が信じているのも驚きだ。埋蔵金は特別会計の剰余金だから、要するに税金である。つまり減税するぶん他の税金（国債の償還財源）を取り崩すだけなので、負債（国債）が減らないかぎり、今年の減税2兆円は将来の増税で必ず相殺される。それが2年後の消費税かどうかなんてナンセンスな問題だ。一般会計の税収は、特定の使途に特定の財源が結びついているわけではない。重要なのは国のバランスシート全体の収支であり、どの税収を何に使うかではない（そんなことは予算にも書いてない）。
定額給付金を埋蔵金でファイナンスするのは、資産の項目を変えて一つのポケットから別のポケットに税金を移すだけだ。卑近な例でいうと、上杉氏の収入が原稿料だけだとしよう。あるとき貯金が底をついて、タンスの中にあったへそくりを出して昼飯代に使ったとすると、上杉氏は得をしただろうか？タンスの中にあろうと銀行にあろうと、上杉氏の本源的な収入は原稿料しかないので、彼は得も損もしていない。政府支出は国民の税金を国民に還元するだけなので、長期的な経済効果はプラスマイナスゼロである。
これはリカードの中立命題として、200年前から周知の事実だ。バラマキ政策が一時的に効果をもつように見えるのは、国民の錯覚を利用しているだけで、それも何度も繰り返すと、国民も学習してだまされなくなる。定額給付金を信用しない日本人は、中立命題を学んだのである。それを理解していないのは、簿記も知らないジャーナリストだけだ。
追記：自民党は、関連法案の成立をまたず、政府短期証券を発行して定額給付金を支給する方針を打ち出した。これで上杉氏の「2兆円が天から降ってくる」という話も根拠がなくなったわけだ。要するに埋蔵金も国債も同じで、最後は税金なんだよ。
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なぜわからないかというと、おそらく上杉隆氏は下記民主主義社会の基本を認識していないと思います。
「国の財産は国民の財産の一部である」
卑近な例でいうと、上杉隆氏は自分のタンスから出したお金を昼飯代に使ったとしても、何の得はしませんが、池田さんのタンスから出したお金をただでもらえるならもちろん得しますよ。と、上杉隆氏は考えているのではありませんか。
上杉氏のダイヤモンドでの定額給付金の財源は国債発行ではなく、埋蔵金があてられるとの文言に一言。
埋蔵金を当てるということは、政府の資産が減少し、
国債発行では負債が増加する。そうすると会計的な
見方では、政府の純資産は埋蔵金を当てようが、国債
を発行しようが一定である。したがって、埋蔵金だろうが国債だろうが経済的効果は同じである。
こんな単純なことを上杉氏が理解できないわけない
と思うが、埋蔵金に関して上杉氏はなぜここまで
論理を無視して、賛成の論を発表するのだろうか。
見つけて使った・・・ということでしょうね
得した気分になるのは間違いない
上杉さんも本当に理解していないとは思えません。こう言う言い方は何ですが、政府筋から依頼されて国民を欺くために吹聴しているのではないかと勘繰ってしまいます。
「埋蔵金を使えば（高速）道路や新幹線（整備）は簡単なんじゃないか」
「埋蔵金で立派な派遣村センター（宿泊施設）をつくればみんな安心できる」
「埋蔵金で公共工事をやれば景気はよくなる」
「埋蔵金があるんだから年金は絶対大丈夫なんだって」（こう言う経済評論家がいるらしい）
誤解は早いうちに訂正しておかないと、後からどんなに丁寧に説明しても、それは「埋蔵金隠しのための陰謀だ」と相手にされなくなる虞があると思います。
という話がよくあるんですよ。「埋蔵金」という言葉にだまされている人が多いけど、これは財務省がつけた言葉で、特別会計の積み立て（税金を取りすぎた）にすぎない。これは税収として政府のバランスシートに計上されているので、いま使わなくても、国債の償還財源が逼迫したら使われます。
「埋蔵金って埋め直す必要ないだろう」とかナンセンスなTBが来たけど、削除しました。埋め直す必要なんかない。いま埋蔵金を使ったら、そのぶん国債の償還財源が減るんだから、機会費用は2兆円、必ず発生するのです。バランスシートの概念を理解してない＊＊って意外に多いんだな。
ただの事実の誤認ですね・・・・。
まあ、上の方がおっしゃるとおり奥さんのへそくりを見つけたような理解なんでしょうね。
定額給付金と、インフラ投資をひっくるめて、
「ケインジアン」と言ってる辺りが論旨を理解してないですね。
ヨーロッパ諸国では、消費税は、たいがい１５％〜２０％程度です。私は、日本も消費税を１０％〜１５％程度にする必要があると考えます。ただ、ヨーロッパ諸国の財政には、特別会計に相当する部分がほとんどありません。もしも日本の消費税を１０％〜１５％程度にするのであれば、特別会計の規模を現在の一割以下にしなければならないでしょう。そうすることにより、埋蔵金の規模も現在の一割以下にすることができます。与党であれ野党であれ、心ある政治家は、たいがい、そのように考えています。
上杉さんは、特別会計の異常さを棚上げにして、埋蔵金だけを言っておられるように思えます。もしも、上杉さんがヨーロッパ諸国の財政スキームをまるで知らないのだとしたら、経済だけでなく、政治のほうも不勉強であると言うしかありません。
日本の経済学者やエコノミストも、ヨーロッパ諸国の財政スキームについては、無知な人が多いと思います。今からでも遅くはないですから、上杉さんは、ヨーロッパ諸国の財政スキームをしっかり勉強し、日本の財政スキームとのちがいを指摘すべきです。そのような思考作業をした後、埋蔵金について言及するのであれば、問題ないと考えます。それこそが上杉さんの仕事であって、わけのわからない経済論を振り回して定額給付金や埋蔵金について語るのは、他の人たちに委ねるべきです。
もし可能なら経営学の見地から、自らの足を食う蛸の様な存在を残したまま、日本の景気を好転させる事が可能かお答えください＾＾；私にはどうしてもそちらが先の様な気がしてなりません。まずは膿を出さないと、いくらうわべを繕っても中の膿は広がるばかりではないでしょうか？
この国は膿を出すと中身がもうほとんど無い状態になるのかも知れませんが・・・。
国家のバランスシートは、国民に明示されなければならにもので、「埋蔵金」としてどこかに何かの形で囲ってあるべきものではないでしょうが。ただ単に、「埋蔵金」という単語が税金に対して使用される事体に不快感があります。
上杉氏のようにテンパってる人々、倒産や失業の危機に直面してる人々にとっては、ケインズの「長期的には〜」は他のどんな論理よりもインパクトのある（説得力のある）言葉だったと思います。
現在求められてるのは、バラマキ圧力を吹き飛ばすような「政治」の強い言葉ではないでしょうか
もしかしたら上杉氏は私と同じ感覚でいるのではないでしょうか？
ただ私もいまいち理解できていません。すみません、、、
日本でも、良くてパチンコが潤うだけでしょ
こういう剰余金は、これまで予算折衝の「隠し財源」として使われていたもので、財務省は知っています。高橋洋一氏が指摘したのは、特別会計にこういう財源があるという（財務省では周知の）事実ですが、財務省はそれを「埋蔵金のようなナンセンスな話」と否定しました。ところが皮肉なことに、このネーミングが絶妙だったために、かえって注目を集めてしまったわけです。
たぶん財務省は、今回のように財源をめぐって政治的にもめたときは、こういう隠し財源を出すつもりだったと思います。だから今回使わなくても、いずれ使われるのです。その意味では、将来の財源を先食いしているだけ。
いずれにしても企業会計ならわかるように、2兆円もの金が「丸もうけ」になるようなうまい話は、世の中にはありません。利益剰余金だとしても、それは企業が過去に稼いだ利益なのだから、使い切ったら資金繰りに詰まったとき困ります。
国は借金をしてへそくりをしていたのと同じ。
へそくりをぱーっと使おうというのは借金をぱーっと使おうというのと同じ。
結局将来２兆円余計に借金してファイナンスしなくてはならない。
公会計を複式簿記にすると年金債務をどうやってごまかすかで紛糾するのは間違いない。当然年金は連結するだろうから。
>>会社員さん
（繰越利益）剰余金は、本当に使えるキャッシュでしょうか？
共産党の書記長と同じことを言っているようですが？
＜未曾有の世界的な金融危機に際して、結果として、欧米の政治家は「ケインジアン」になっているということを述べているのだが、池田氏にはそのあたりの現実が見えないようだ。日本ではいまだにこうした評論家が、経済学の観点からのみで世界を見ようとする、古くさい「評論分析」を行なうから困ったものだ＞
私が元の記事でも書いているように、オバマは「財政刺激」という言葉を慎重に避け、グリーン・ニューディールなどの「長期投資」だという点を強調しています。これはサマーズなどの助言だと思いますが、ここ半世紀の経済学の進歩を反映しています。上杉氏にそこまで高級な認識は要求しないけど、知らないくせに他人を「古くさい」などと罵倒するのは恥ずかしい。マンキューの入門書でもいから、えらそうなことをいう前に少しぐらい経済学を勉強してよ。
私は８００万円の借金があります。
でも実はへそくりがありまして、いくらだったかは確認してみないと分からないんですが、少なくとも２万円はあります。
この２万円は私の自由で何に使ってもいいから、今度孫たちにお小遣いとして分けてあげようと思っています。
と思って娘に相談したら怒られました。
今２万円使っちゃうと、その分、後で２万円多く私の借金を返さなくちゃいけないからって。
まあ確かにそうだよねえ。
私からしたら、３人の娘に後で借金を多く２万円肩代わりしてもらえば済むことなんだけどねえ。
今２万円多く使うと娘の将来の負担が２万円増えちゃうってことだね。
だから娘は怒ったんだね。
そんなことより孫たちに２万円あげて、孫の喜ぶ顔が見たいんだけどねえ。
http://www.economist.com/finance/displayStory.cfm?story_id=13031089&source=features_box1
"The difference this time is that the rich world already faces the costs of an ageing population, which promise a fiscal burden many times greater than even the darkest scenarios for the financial crisis. Right now fiscal activism is indispensable, but the consequences will be bigger and longer-lasting than many realise."
日本人の場合なんとなく、将来の増税が直感できるからみんな反対してるんでしょうね。
すでに盗まれた金を取り返す、と市井の方が認識してくれるのならば、バランスシート上の話も別になると感じますが？
そりゃ、財務省が市役所同様問題のない管理をしていると証明できれば良いのですがね。
財務省は市役所ごときとはベツモノ、とは皆思っていないと感じています。どうでしょう？
複式簿記というか、基本的なバランスシートの原則を知らないというか・・・
財政学だろうが、銀行会計だろうが、Ｂ/Ｓのルールくらいは経済活動について述べるにあたり頭に叩き込むべきと思いますね。
あとここから先はまったく漠然とした感想ですが、そもそも前回の大恐慌時に「ケインズ」が持て囃されたのも、"elaborateな行政府が国民を指導できるべき"という理想から出発した逆推論に過ぎないのではないでしょうか。不完全な合理性しか持てない無知で暗愚な固体と、それを貨幣を用いて分散して調停すべき市場を見据えるのが、一神教以前に人間が持っていた寧ろ基本的な知ではないのかと、レヴィ＝ストロースやグノーシス主義の入門本なんかを読んでいて思いました。
日本の政治は、あまりにも経済学の観点を無視しすぎていると思います。そんなこともわからないで批判してきてもイラつくだけですね。リカードの中立命題なんてマクロ経済学の本読めば必ず出てくる基礎中の基礎なのに・・・こういう人達が政治に何らかの影響を与えていると思うと本当に腹立たしいです。
私は、一度財務省に意見書を出した事があります。もっと、頻繁に監査を各所に入れるべきと。アメリカの銀行でもある程度の管理職は、2週間の有給で机から離れなければならない。その間他の銀行員が不正をしていないか監査を行いますよね。私は、日本の場合、一般ＣＰＡの監査（ヴォランティア）を入れるべきと思います。
こんな経済状態であってもお金を残す人は、残している。アメリカでも統計的にミリヨネイヤーは、倹約家であって成金ではない。「埋蔵金」が、財政赤で有ってよいはずがないでしょう。
埋蔵金に関してもし使っても特に問題がないという状況があるなら、それは今のように不況に差し掛かっているにもかかわらず一般会計予算が黒字である時だけでしょう。それなら、さらに剰余金が生まれるのですから、埋蔵金は使えます。(それなら減税しろ！というのが最も正しいことではありますが)
上杉さんにはぜひ、ブログで反論を書いてもらいたいですね。そちらの方がフェアです。
この点では、私が埋蔵金を内部留保にたとえたのは間違いですね。内部留保を利益剰余金（資本の一部）とすると、負債に含まれるからです。
私がひっかかるのは、利益余剰金が減ったとしても、債務超過になる事はないので、あとで必ず減った資産を補う必要があるのかという点です。単純に”国の資産が減っただけ”と解釈するわけにはいかないのでしょうか？
ただＢ／Ｓ上余剰金がたんまりあったとしても、キャッシュフローから見て、今回の2兆円放出によってマイナスになるようであれば、もちろん早めに補う必要があると思います。
う〜ん。頭の中が痒くなります、、、
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