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琵琶湖の「厄介者」が養鶏のエサに 外来魚、高い栄養価(2/2ページ)

2009年1月29日9時4分

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写真外来魚の加工プラント。加熱処理され、丸1日かけて魚粉ができあがる=滋賀県日野町

写真外来魚の魚粉入りの飼料をついばむ京都養鶏生産組合の鶏=京都府城陽市

写真琵琶湖で駆除された外来魚。漁港を巡回する回収車に積まれ、加工施設へ運ばれる=滋賀県水産課提供

 外来魚の回収と加工を担う「淡海再資源化協同組合」(本部・大津市)は今年度は約400トンの外来魚から約100トンの魚粉をつくり、商社のほか、滋賀や京都の養鶏農家に出荷する計画だ。林市雄事務局長は「駆除対象なので『あら』だけでなく身も使え、高たんぱく質と評判がいい。琵琶湖の外来魚を地元で消費する『地産地消』の取り組みだ」と胸を張る。

 外来魚製の魚粉が、BSE(牛海綿状脳症)で使用が禁止された牛骨粉に代わる動物性たんぱく質源になることも裏付けられた。

 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)の久保幹教授(環境微生物学)らの研究グループの実験では、粉砕したブルーギルに、納豆菌の一種を加えて約48時間発酵させると、栄養の吸収効率が高い飼料ができあがることがわかった。

 滋賀県特産の「近江シャモ」300羽に、この飼料を140日間与えたところ、通常のエサよりも体重が約1割増えた。肉の味についても、100人中60人以上が「好む」と答えた。久保教授は「従来のエサよりも少量ですみ、コスト削減につながる」と期待している。(高久潤)

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