厚生労働省は29日、インフルエンザ治療薬の開発企業と販売元の計11社を通し、医療機関に使用上の注意を求める通知を出した。今月27日、治療薬の一つ「リレンザ」を処方された長野県の男子高校生(17)が自宅5階のベランダから転落死した。高校生が服用したかどうかは不明だが、服用が飛び降りなどの異常行動につながった恐れもあるとして、注意喚起に踏み切った。
厚労省によると、リレンザを服用し突然走り出すなどの異常行動を起こした人は00年12月の販売開始から昨年3月末まで57人報告されているが、飛び降り例はない。
現在、別の治療薬タミフルが効かないウイルスが検出され、リレンザの利用が増える可能性がある。通知では、未成年者が服用すると異常行動の恐れがあり、保護者は自宅で患者を1人にしないようにする--などと注意喚起している。【関東晋慈】
毎日新聞 2009年1月29日 22時19分(最終更新 1月29日 22時58分)