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介護難民防止へ、京都府が初助成 診療報酬引き下げ補填
医療機関に入院する要介護高齢者の一部の診療報酬を国が引き下げたことを受け、京都府の山田啓二知事は29日、引き下げ分を医療機関に助成する措置を、平成21年度から都道府県で初めて実施する方針を明らかにした。報酬引き下げで、病院などから追い出された高齢者が行き場を失う「介護難民」の多発を食い止めるのが狙い。21年度当初予算に関係経費を盛り込む。
国は医療費抑制を目的に、医療保険が適用される医療病床の高齢入院患者のうち、治療の必要性が低い「診療区分1」の患者を、介護保険が適用される介護施設や老人保健施設に移すことを促しているが、受け皿整備は進んでいない。
一方で、国は「区分1」患者の診療報酬を、18年7月と20年4月の2回にわたって引き下げ、診療報酬は6割程度に減少した。このため、医療機関の経営上の問題で退院を余儀なくされる「区分1」患者が多発することが懸念されている。
府では21年度から、引き下げ前と現在の診療報酬の差額分の一部を助成。また、国が23年度に、介護保険が適用される介護病床を全廃する計画を立てていることから、全廃後の「介護難民」の増大を防ぐため、介護病床から医療病床への転換費用も助成する。府は両事業で5000万円程度を見込んでいる。