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琵琶湖の「厄介者」が養鶏のエサに 外来魚、高い栄養価(1/2ページ)

2009年1月29日9時4分

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写真外来魚の加工プラント。加熱処理され、丸1日かけて魚粉ができあがる=滋賀県日野町

写真外来魚の魚粉入りの飼料をついばむ京都養鶏生産組合の鶏=京都府城陽市

写真琵琶湖で駆除された外来魚。漁港を巡回する回収車に積まれ、加工施設へ運ばれる=滋賀県水産課提供

 トウモロコシなど輸入穀物の値上がりが続くなか、琵琶湖の外来魚、ブラックバスやブルーギルが養鶏飼料の原料として注目されている。生態系を乱す厄介者扱いだが、栄養価が高く、大量に調達できる点が歓迎され、一風変わった「地産地消」の試みが動き出した。

 京都府城陽市の養鶏場。10万羽のニワトリのうち、約700羽が魚粉入りの飼料をついばむ。琵琶湖でとれた外来魚を加工した魚粉1に対して、国産の玄米などが3の割合で混ぜ合わされた飼料だ。京都養鶏生産組合が5年前から実験的に与えてきた。

 これまでは原料の多くを輸入の大豆やトウモロコシに頼ってきたが、世界的な穀物高でこの2年間でエサ代は約1.3倍に上昇した。農林水産省によると、輸入トウモロコシなどでつくる配合飼料の価格は、06年9月に1トンあたり約4万3千円だったのが、昨年9月には約6万5千円まで値上がりした。こうした穀物高に加え、魚粉の主原料になってきたイワシも漁獲量が減少し高騰している。

 外来魚の魚粉入り飼料も輸入穀物よりまだ5割高で安くはないが、組合の西田敏代表理事は「従来の飼料を与えたニワトリより肉に臭みが少ない。琵琶湖の外来魚がエサだという意外性にも反響がある。琵琶湖の漁師が喜んでくれるのなら一石二鳥だ」と話す。

 安定した供給が期待できることも追い風だ。滋賀県水産課によると、琵琶湖には約1600トンの外来魚が生息し、琵琶湖の固有種でフナずしに使われるニゴロブナなどの漁獲量を激減させてきた。県が補助する県漁連の外来魚駆除事業では、漁師らが毎年400〜550トンを捕獲する。かつては埋め立て処分していたが、99年からは魚粉に加工し、販路を探ってきた。

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