麻生太郎首相は26日、首相官邸で自民党の「外交力強化に関する特命委員会」の森喜朗委員長、茂木敏充事務局長から、同委がまとめた提言の説明を受けた。提言は政府開発援助(ODA)の増額などを求める内容。首相は「来年はマイナスは駄目だ」と述べ、削減が続いているODAを来年度予算で増額する意向を示した。
ODA予算は97年をピークに11年間で約4割削減され、7000億円程度と80年代のレベルになっている。日本は00年まで10年連続で世界1位の援助国だったが、現在は米独仏英に次ぐ5位に落ち込んでいる。
ただ、06年に閣議決定した「骨太の方針」は、5年間ODAを前年度比2~4%削減するとしている。景気後退で厳しい歳入状況にある中、首相のODA増額発言は来年度予算案の編成作業にも影響を与えそうだ。
また、提言は、アフリカ向けODAを12年までに倍増する政府方針達成のため、質、量とも充実させることを要請。在外の大使館を現在の123から150に増やすことや、人員増なども求めている。【木下訓明】
毎日新聞 2008年11月26日 18時53分